種別 | 論文 |
主題 | 散水促進中性化試験による中性化深さの予測 |
副題 | |
筆頭著者 | 佐伯竜彦(新潟大学) |
連名者1 | 長滝重義(東京工業大学) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 1 |
先頭ページ | 801 |
末尾ページ | 806 |
年度 | 1993 |
要旨 | まえがき 中性化は鉄筋コンクリート構造物の耐久性を考える上で重要な問題であるため、中性化探さの予測に関する研究が数多く行われてきた。自然状態における中性化の進行は非常に遅いため、促進試験による中性化速度の評価が一般的に行われている。促進試験では使用材料、配合条件および初期養生条件の影響を相対的に比較することができるが、促進試験から自然状態の中性化の進行を予測するには自然暴露試験結果との対応関係を明らかにしなければならない。屋内に自然暴露されたコンクリートの中性化速度については、温度、湿度および二酸化炭素濃度を一定に保って行う通常の促進試験によって予測でき、促進倍率も明らかになっている。しかし、屋外に暴露され、降雨により水分の供給を受けるコンクリートの中性化の進行については促進倍率等の検討が不十分である。著者らは促進中性化試験中に供試体に定期的に水分を供給する散水促進中性化試験を行うことにより、屋外に暴露された普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートの中性化速度を促進試験から予測できることを示したが、本研究では、フライアッシュを混和したコンクリートについても散水促進中性化試験の適用が可能かどうかについて確認するため、モルタル供試体を作製し、通常の促進中性化試験および散水促進中性化試験を行い検討を加えた。 結論 本研究は促進試験によって屋外に自然暴露され降雨の影響を受けるコンクリートの中性化深さを予測するため、配合条件および初期養生条件の異なるモルタル供試体を作製し、散水促進中性化試験を行い、自然暴露試験の結果と比較し検討を加えた。本研究で得られた結論を以下に示す。(1)フライアッシュ混和の有無によらず、水分の供給は中性化の進行を抑制する。(2)屋外自然暴露状態での中性化の進行に対する配合条件、初期養生条件の影響を評価するには通常の促進中性化試験より散水促進中性化試験の方が適している。(3)フライアッシュの中性化速度の低減に対する貢献度は、屋外自然暴露試験と散水促進中性化試験でほぼ同じとなっており、フライアッシュ混和の影響の点からも、散水促進中性化試験は屋外自然暴露試験の評価に適している。(4)フライアッシュを混和した場合でも、散水促進中性化試験の結果から屋外自然暴露試験の結果を予測できる。本研究の促進条件の場合、屋外自然暴露試験に対する促進倍率はフライアッシュ混和の有無によらず約20倍である。 |
PDFファイル名 | 015-01-1134.pdf |