種別 論文
主題 塩害環境下におけるRC構造物の暴露実験
副題
筆頭著者 谷川伸(東亜合成化学工業)
連名者1 大城武(琉球大学)
連名者2 後藤信弘(新日本製鐡)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 811
末尾ページ 816
年度 1993
要旨 はじめに
本研究は亜熱帯海洋性気候下の沖縄県で、海岸に隣接した暴露RC構造物を対象に、塩害による劣化過程の把握を目的としている。本構造物にはアクリルゴム系防水塗膜を部分的に初期に施工しその塗膜による耐久性向上を実験的に立証している。ここではコンクリート中の塩分量について8年3ヶ月にわたる暴露期間の経年変化を解明している。また、鉄筋腐食評価法として交流インピーダンス法を採用し、その手法の技術開発を行っている。本構造物は1984年9月に完成し、その後コンクリートの劣化過程、塗膜の保護効果、及び電気化学的特性値による鉄筋腐食評価法等の研究成果を発表してきた。本報文は1992年11月の測定結果を基にこれまでの知見を加え、RC構造物の塩害劣化及び評価法を記述する。
まとめ
塩害環境下における構造物を対象に、その劣化過程及びアクリルゴム系防水塗膜の保護効果、さらに、鉄筋腐食の評価法等について研究を行っている。過去8年間の研究成果から次の知見が得られた。(1)暴露構造物の無塩塗膜部においては、長期の暴露期間を経過しても塩分量は初期のレベルが維持され、外部からの浸透塩分量による増加が表れて無い。このことは塗膜による遮塩効果を表している。この塩分量分布に対応し、鉄筋腐食は軽微で、RC構造物の耐久性向上が期待出来る。無塩解塗膜部においては外部からの塩分浸透が著しく、鉄筋の塩化物腐食を防止できない。従って、塩害環境下においては適切な防食対策を早期に講じる必要性がある。有塩無塗膜部においては、初期混入塩分量をベースにして外部からの浸透塩分量が加算された塩分量分布を表し、著しい高濃度の塩分量を表している。有塩塗膜部では、初期混入塩分量が長斯にわたり塗膜の遮塩、遮水性によって維持され、外部からの塩分量の著しい増加を防止している。この結果、孔食に伴う鉄筋断面の損失を防いでいる。(2)無塩塗膜部の自然電位及び交流インピーダンスは、塩害劣化過程における鉄筋の健全域から僅かに劣化し、鉄筋腐食活性域にいたる遷移域にある。また、無塩無塗膜部及び有塩部の分極抵抗は、鉄筋腐食の活性域を表している。この様に、交流インピーダンス法は鉄筋腐食の評価法として活用出来る。
PDFファイル名 015-01-1136.pdf


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