種別 | 論文 |
主題 | コンクリートの耐摩耗特性におよぼす各種要因の検討 |
副題 | |
筆頭著者 | 松尾久幸(日本コンクリート工業) |
連名者1 | 丸山武彦(日本コンクリート工業) |
連名者2 | 村上俊夫(四国総合研究所) |
連名者3 | 多田東臣(四国総合研究所) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 1 |
先頭ページ | 835 |
末尾ページ | 840 |
年度 | 1993 |
要旨 | まえがき 本研究は、小規模な越流式ダムの越流部や水たたき部の補修用に、高強度コンクリートを適用する場合を想定し、その耐摩耗特性の調査を目的としたものである。昨年度は衝撃すりへり(以下、衝撃と呼ぶ)試験および落下衝撃(以下、落下と呼ぶ)試験の、主に衝撃を受ける場合について報告した。今年度は、同時期に実施した掃流試験などの結果を加え、コンクリートの耐摩耗特性におよぼすと思われる因子について検討を行い、また、摩耗試験結果相互の関連性について文献調査も含めて考察したものである。 まとめ 本研究は高強度コンクリートの耐摩耗特性の調査を目的に、昨年度のデータも含め耐摩耗特性に関連すると思われた要因について検討したわけであるが、試験方法によって摩耗特性は一様でなく、未検討因子の多いことも判明した。得られた成果としては、1)掃流摩耗形態は表層モルタルの摩耗による摩耗量の多い初期摩耗と、それ以降の安定した定常摩耗に区別でき、初期摩耗ではA養生の摩耗量が標準養生に比べ小さいため、セメント硬化体の表面組織の影響を受けやすい。しかし、衝撃や落下試験ではその影響が明確でない。2)使用骨材の違いによる影響は今後詳細な検討を必要とするが、本研究の範囲内では、衝撃試験は低強度範囲で差がみられたが全般的に骨材の影響を受けにくい。3)繊維補強の効果は1%wt混入において、掃流試験では低強度範囲に混入効果がみられるものの、1000kgf/cm2以上ではその効果が少ない。また、衝撃および落下試験においては混入による効果はむしろなく、混入することで摩耗量の増加する傾向も見られる。4)膨脹性混和材の効果は掃流摩耗に対し有効で、C×10%の混入率の800kgf/cm2のコンクリートは無混入の1300kgf/cm2程度の摩耗量に相当する。しかし、衝撃および落下に対しては必ずしも有効でない。5)コンクリートの耐摩耗性能は高強度になるほど向上するが、試験方法によって改善傾向は異なり、掃流および落下摩耗は衝撃摩耗と比較し圧縮強度に敏感でない。6)掃流および衝撃試験は摩耗材の材質・重量、装置の回転速度などが重要な因子と考えられ、今後は、これらの因子に骨材の組合せ、測定時間および摩耗面の性質などの因子を加えた研究と、高強度コンクリートの実用面への適用や試験値との整合性の検討を行いたいと考えている。 |
PDFファイル名 | 015-01-1140.pdf |