種別 論文
主題 鉄筋コンクリート橋の部位の違いによる材料劣化に関する考察
副題
筆頭著者 今井富士夫(宮崎大学)
連名者1 中沢隆雄(宮崎大学)
連名者2 赤木正見(宮崎大学)
連名者3 枝元宏彰(国土開発コンサルタント)
連名者4  
連名者5  
キーワード
15
1
先頭ページ 841
末尾ページ 846
年度 1993
要旨 はじめに
コンクリート構造物の耐久性を考える上で、コンクリートの中性化状況や塩分分布あるいはこれらと圧縮強度などの関係を把握することは重要である。これまでの研究から、コンクリートの中性化には材料や配合ならびに外気など数多くの要因があり、これらの要因のうち、配合では水セメント比、外的要因としては気温、湿度や炭酸ガス濃度などが挙げられ、これらを因子とする中性化探さ予測式も提案されている。また、中性化は構造物内部の塩分分布に影響を及ぼし、コンクリートの圧縮強度や吸水率とも関連していることも指摘されている。しかしながら、これらの成果の多くは促進試験などを基としたものが多く、実構造物からのデータは不十分なように思われる。著者らは先に、異なった環境条件下で多年供用されてきたコンクリート構造物(7体)の上記に関するデータを提示し、中性化速度あるいは圧縮強度や吸水率に対する中性化速度の関係ならびに可溶性塩分の分布状況などを明らかにした。しかしながら、降雨や外気条件に影響を受ける中性化進行やそれに伴っての塩分移動があることを考えれば、同一条件で打設され、同一環境で供用された1つの橋梁でも部位によってこれらは変化するはずである。本論文は、このような観点から供用51年の1つの鉄筋コンクリートT桁橋から抽出された様々な部位の試験片による材料試験を行い、その結果から部位の違いによる材料劣化の変化について考察するものである。
まとめ
本論文で得られた成果を要約すると次のようになる。(1)橋梁の中性化測定は、中性化進行の最も速い桁内面の底部について行うべきである。(2)岸谷式と魚本・高田式を本橋に適用すると、岸谷式はおよそ平均的な中性化深さを、魚本・高田式は最大中性化探さを表現している。(3)塩分量は桁上部よりも底部のほうが多く、その分布は既往の文献にあるように、中性化最深部の少し内部にピークがある。(4)先に著者らが提示した中性化探さと圧縮強度ならびに吸水率との関係式は、ほぼ本橋にも適用できるものと思われる。
PDFファイル名 015-01-1141.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る