種別 論文
主題 エポキシ・モルタル積層PCa型枠によるコンクリート構造物の高耐久化
副題
筆頭著者 竹田宣典(大林組)
連名者1 十河茂幸(大林組)
連名者2 栗原正美(大林組)
連名者3 住野正博(大林組)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 869
末尾ページ 874
年度 1993
要旨 はじめに
近年、土木構造物の建設に当っては、施工の省力化、構造物の高耐久化、美観向上等が要求されることが多い。特に大型のマスコンクリート構造物が海洋環境下に建設される場合、温度ひびわれ対策上、低発熱性の混合セメントが使用され、中性化速度が問題となったり、海洋環境下における塩化物イオンの浸透を抑制したり耐海水性等が必要となる。この様な状況のもとに、コンクリ−ト構造物の耐久性を向上させるためには、高耐久性のプレキャストコンクリート版を型枠として使用することが考えられ、この方法によるとコンクリート打設後の脱型作業が不要となり省力化が期待でき、さらに表面の美観も向上する。本報告では、非腐食性の繊維系材料を用いた高強度モルタルと特殊ポリマーから構成される積層構造のプレキャスト型枠(以下、PCaパネルと称する。)について、耐久性(遮塩性、中性化速度、凍結融解抵抗性、耐摩耗性、化学抵抗性)に関する試験を行った結果について述べる。
まとめ
エポキシ・モルタル積層のプレキャスト版(PCaパネル)の耐久性評価試験より、以下のことが確認された。(1)ビニロン繊維含有の高強度モルタル層の塩化物イオンの拡散係数は、0.4×10-8cm2/sec程度であり、特殊ポリマー層と一体化して塩化物イオンの浸入を抑制することが可能であることが確認された。(2)中性化速度は著しく小さく、中性化の進行は長期間パネル内にとどまると推定される。(3)凍結融解抵抗性については、600サイクル迄のくり返しの結果、動弾性係数の低下は認められず、表面のスケーリング等も認められないことが確認された。なお、モルタルを用いているため、表面の耐摩耗性や化学薬品に対する抵抗性が懸念されたが、試験の結果、いずれもW/C=55%の普通コンクリートと同等以上であることが確認された。以上の結果より、エポキシ樹脂と高強度モルタルの積層構造から成るPCaパネルは、コンクリート構造物の高耐久化を図る上で有効な工法であると考えられる。今後、さらに施工の省力化や色調の改善等について検討していく考えである。
PDFファイル名 015-01-1146.pdf


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