種別 | 論文 |
主題 | 北海道におけるコンクリート構造物の凍害劣化に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 山下英俊(間組) |
連名者1 | 堺孝司(北海道開発局) |
連名者2 | 熊谷政行(北海道開発局) |
連名者3 | 喜多達夫(間組) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 1 |
先頭ページ | 893 |
末尾ページ | 898 |
年度 | 1993 |
要旨 | まえがき 北海道は、寒冷な気象環境にあり、コンクリート構造物は種々の有害な作用を受けている。それらの中でも、コンクリート中に含まれる水の凍結によって起こる凍害は最も重要な問題の1つである。凍害は、コンクリートの品質、構造物が置かれる環境、水の供給程度など、多くの要因に支配され、それらの複雑な組み合わせによって発生する。また、その劣化形態はさまざまであり、各要因の影響度合いによって異なっている。さらに、塩化物の浸透や中性化といった他の劣化要因との複合作用も考えられる。既往の研究をみると、各要因別に劣化形態を調べたものが多く、総合的に検討されたものは少ない。また、ほとんどが室内レベルのものであり、実構造物との対応をはかったものは僅かである。それらの中で、実構造物の凍害調査をもとに、劣化外力や構造細目について書かれた藤原らの論文が注目される。しかしながら、凍害発生要因の体系化や凍害による劣化の定量的な評価などについては十分とは言えない。このように、凍害の発生形態は非常に複雑で、まだ解明されていないことが多く残されている。以上のことを背景に、本研究では凍害発生要因の体系化を試みると共に、北海道のコンクリート構造物について、その立地場所、構造物の種類、部位別の凍害劣化状況を調査し、凍害の現状を整理した。また、表面強度、超音波速度、細孔径分布、ひびわれなどにより凍害劣化によるコンクリートの物理的変化を定量的に評価した。 あとがき 今回の現場調査の対象となったコンクリート構造物は、現在供用されているものがほとんどであったため、調査内容、数量に制限があったが、凍害の劣化によるコンクリートの物理的特性の変化や劣化の進行過程を裏づける有力な情報が得られたと思う。また、これまで凍害による劣化は、表面から内部に徐々に劣化が進行するといわれているが、このことは本研究においても確認された。しかし、現在一般的に用いられている凍結融解試験はコンクリート供試体全体を凍結させ、その劣化過程を調べるものがほとんどであり、実構造物への適用の有効性が問題となる。今後は、実構造物の劣化形態を一層明確にし、それに対応した促進凍結融解試験方法について研究を進めていくつもりである。 |
PDFファイル名 | 015-01-1150.pdf |