種別 論文
主題 石灰石骨材のアルカリ反応性早期判定試験方法の開発に関する基礎的研究
副題
筆頭著者 斎藤広志(日本建築総合試験所)
連名者1 田村博(日本建築総合試験所)
連名者2 松浪良夫(日本建築総合試験所)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 905
末尾ページ 910
年度 1993
要旨 はじめに
石灰石骨材のアルカリ反応性試験方法は我国では未だ確立されていないが、石灰石のコンクリート用骨材としての使用量が近年急激に増大しており、同試験方法を早急に確立する必要がある。当試験所では5年程前から同研究に取り組んでおり、まずその第一段階として、カナダ産でアルカリ反応性が既に確認されている石灰石と本邦産の代表的な石灰石との基本的な比較試験を終了した。本論は、その結果を報告すると共に、今後の課題について述べたものである。
まとめおよび考察
(1)試料A石灰石のアルカリ骨材反応牲の有無は、JIS化学法では無論のこと、JISモルタルバー法においても判定できないと判断された。(2)試料Aと本邦産試料との比較において、ロックシリンダー法の膨張量で明らかに違いが認められた。その要因ついて、岩石学的に試料Aと本邦産試料との相違点を検討してみると、試料Aは、概ね次の1)〜4)をすべて満たしていることが考えられた。1)ドロマイト質石灰岩2)粘土鉱物を多く含有している3)岩石の組織が隠微晶質〜微晶質4)ドロマイトの結晶牲が関与する(結晶性が悪い)。(3)上記2)は、原石試料の化学分析および酸処理試料の粉末X線回折の結果、試料Aは本邦産試料に比べ、粘土鉱物あるいはその主成分であるケイ素およびアルミニウムが多く確認された。従って、試料Aのロックシリンダー法における膨張要因の一つとして、粘土鉱物が関与しているものと判断されるが、同様に、粘土鉱物を多く含んでいた本邦産試料(但し、石灰岩)では膨張が認められなかったことから、粘土鉱物の結晶性あるいはドロマイトとの関連について、より詳細に検討する必要があるものと考えられた。(4)上記3)4)は、例えば本邦産試料Dは、上記1)〜4)の内、2)のみを満たしていなかったが、RC供試体中のドロマイトが完全に分解されていたにも関わらず、ロックシリンダー法ではまったく膨張を示さなかった。従って、岩石学的に反応性を確認するには、総合的に判断する必要があるが、さらに反応性(膨張)の程度と岩質あるいは結晶性との関係をより明確にする必要がある。
PDFファイル名 015-01-1152.pdf


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