種別 | 論文 |
主題 | コンクリートのASRひびわれに対するフラクタル解析と評価 |
副題 | |
筆頭著者 | 西林新蔵(鳥取大学) |
連名者1 | 王鉄成(鳥取大学研究生) |
連名者2 | 川島恭志(鳥取大学大学院) |
連名者3 | 権赫文(鳥取大学研究生) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 1 |
先頭ページ | 911 |
末尾ページ | 916 |
年度 | 1993 |
要旨 | はじめに アルカリシリカ反応(ASR)によるコンクリート構造物の膨張ひびわれは、時間の経過とともに変化し、そのひびわれの状態は反応性骨材の含有量、粒径、セメント中のアルカリ量、水セメント比、環境温度、湿度などの要因によって影響されることが認められている。このひびわれ特性は、いわゆるトラバース法や面積法によるひびわれ数、幅および密度などによって評価されてきている。しかし、ひびわれの形状、進展および分布の評価には曖昧な表現をせざるを得なく、さらに、構造物の損傷程度の診断、補修とその工法の選択に不可欠なひびわれの的確な評価方法が確立されているとはいい難いのが現状である。本研究は非線形現象の取扱いに適用されているフラクタル理論(自己相似性(self-similarity)をASRによって生じた非規則的なコンクリートの膨張ひびわれに応用して、その定量的評価を試み、ひびわれの評価と主な影響要因との関係を検討するとともに、ひびわれの状態を模擬し、かつその進展を把握することによって、損傷の評価にとって有益な提言を行なわんとするものである。 まとめ (1)ASRによるコンクリートの膨張ひびわれはフラクタルで、ひびわれの状態はフラクタル次元D(形状陽子φ、ひびわれ度C.D.とひびわれ率C.R.)で表すことができ、解析結果より、Dはφ、C.D.(C.R.)と極めて良い相関関係がある。有害膨張0.1%以上に対応させると、Dは1.6〜1.98の範囲で、網状のひびわれであることが確認される。また、解析したフラクタル次元Dより、ひびわれの進展状態を模擬し、さらに、ひびわれの程度を予測し、評価することができる。(2)アルカリ量はひびわれの状態(D)に影響を及ぼすが、反応性骨材の混合割合などによってその影響の程度が異なる。(3)高炉スラグ置換率の増加に伴ってDは減小する。高炉スラグの置換がない場合と比較すると、置換率70%で、ひびわれのカバー率が約20%低減することが認められる。(4)解析した結果から、コンクリート構造物の有害膨張の発生、美観上と損傷の面から、有害膨張0.1%に対応させると、D=1.6ならびC.D.=0.15(C.R.=30%)になることが考えられる。 |
PDFファイル名 | 015-01-1153.pdf |