種別 | 論文 |
主題 | NaCl溶液に浸漬されたモルタル中のアルカリシリカ反応生成物の変化 |
副題 | |
筆頭著者 | 川村満紀(金沢大学) |
連名者1 | 竹内勝信(真柄建設) |
連名者2 | 杉山彰徳(金沢大学大学院) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 1 |
先頭ページ | 923 |
末尾ページ | 928 |
年度 | 1993 |
要旨 | まえがき 海水または融氷剤として使用されるNaClのアルカリシリカ反応におよぼす影響に関連して、NaCl溶液中における反応性骨材含有モルタルの膨張機構を解明することは、アルカリシリカ反応に関して解決されるべき重要な課題の一つである。NaCl溶液に浸漬された反応性骨材含有モルタル中に多量の塩化物含有エトリンガイトが存在するという事実より考えて、NaCl溶液に浸漬したモルタルにおけるセメントペーストマトリックス相の組織および反応性骨材粒子内部に形成される反応生成物の変化を明らかにすることが、NaCl溶液中のモルタルの膨張機構の解明につながると考えられる。本論文は、モルタル中の反応性骨材粒子内部の微小硬度の測定とEDXA分析によって、外部よりNaClが侵入する条件下におけるモルタル中の反応性骨材内部で進行するアルカリシリカ反応の特徴を明らかにしたものである。 結論 NaCl溶液において反応性骨材含有モルタルの膨張が活発に進行するメカニズムを明らかにするために、モルタル中の反応牲骨相粒子内部において生ずる変化を、微小硬度測定およびEDXA分析によって追跡した結果、次のような事実が明らかになった。(1)NaCl溶液に浸漬後、セメントペースト-反応性骨材粒子界面から約100μmと200μmの間の部分の硬度が時間と共に急激に上昇し、90日においては、その部分はパイレックスガラスよりも硬い物質に変化する。(2)NaCl溶液中においては、NaCl溶液浸漬前においてほとんどアルカリシリカ反応が生じていないと考えられる反応性粒子の中央部おいて、アルカリシリカ反応が活発に進行する。(3)NaCl溶液に浸漬したモルタル中の反応性骨材粒子の中央部においてアルカリシリカ反応が促進されることが、モルタルの膨張を助長する可能性が考えられる。(4)NaCl溶液に浸漬したモルタル中では、Ca2+がすでに形成されているアルカリシリカ反応生成物中に侵入し、反応生成物との間のイオン交換反応の結果生成された水酸化アルカリが粒子の中央部分の未反応部分におけるアルカリシリカ反応を引き起こしていると推察される。 |
PDFファイル名 | 015-01-1155.pdf |