種別 | 論文 |
主題 | コンクリートのASRに及ぼす要因のペシマム現象 |
副題 | |
筆頭著者 | 王鉄成(鳥取大学研究生) |
連名者1 | 西林新蔵(鳥取大学) |
連名者2 | 木村厚之(鳥取大学大学院) |
連名者3 | 権赫文(鳥取大学研究生) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 1 |
先頭ページ | 929 |
末尾ページ | 934 |
年度 | 1993 |
要旨 | まえがき アルカリシリカ反応(ASR)においては、それに影響を及ぼす要因の大きさによって膨張量が最大となるペシマム(pessimum)現象の存在することが知られている。このペシマム現象は、反応性骨材の混合割合、アルカリ量、水セメント比、養生温度などで現れ、その条件は、化学反応と硬化体の性状や物理的性質の変化とが複合されたもので、とくにアルカリ量と反応性シリカ量との関係が重要である。これまでのペシマム現象についての研究のほとんどはモルタル試験の結果に対するものであり、実際の構造物に用いられるコンクリートについての試験はあまり多くなく、種々の要因によるペシマム現象については不明の点が多くに残されている。本研究は反応性骨材の混合割合、アルカリ量、水セメント比、温度に関するコンクリートのペシマム条件について検討するとともに、この内のアルカリ量、水セメント比、温度の要因を組合わせた3水準の直交表に基ずく実験結果を分析し、検討を加えたものである。 まとめ 1)反応性骨材の混合割合の増加に伴う膨張量には、膨張量が最大になるアルカリ-反応性骨材量の比が存在する。一方、反応性細骨材を用いた場合には、より大きい膨張が現れ、反応性粗骨材量の増加に伴って膨張量が低減する傾向のあることが認められる。2)アルカリ量の膨張量に及ぼす影響を考慮とすると、反応性細骨材だけ(0/100)を使用した場合に、アルカリ量2.0%でペシマム値が存在する。それ以外の混合割合ではアルカリ量によるペシマム値がアルカリ量2.5%以上であることが推察される。4)細骨材に反応性骨材を使用した場合、水セメント比0.45、0.54で、ペシマムアルカリ量はそれぞれ2.0、3.0%であることが確認された。5)水セメント比の増加に伴ってアルカリ量のペシマム値も増大し、水セメント比の減少に伴ってアルカリ量のペシマム値は減少する傾向がある。水セメント比0.58、0.62で、アルカリ量のペシマム値は約4.0%である。水セメント比0.58以上ではアルカリ量のペシマム値がほとんど一定になることが認められた。水セメント比0.4以下では、ペシマム値が存在するアルカリ量の範囲は2.0%以下であることが推察される。6)保存温度の上昇に伴って膨張量は増大する。高温では膨張は速く、低温では膨張は遅くなることが考えられる。20℃、40℃と60℃で保存したコンクリートの膨張は、材令2ヶ月までは、60℃のほうがより大きい膨張が現われる。7)要因による組合わせの影響を解析した結果から、水セメント比および保存温度の影響は大きいことが認められる。 |
PDFファイル名 | 015-01-1156.pdf |