種別 | 論文 |
主題 | コンクリート用化学混和剤としてのアルカリ骨材反応抑制剤の開発 |
副題 | |
筆頭著者 | 大濱嘉彦(日本大学) |
連名者1 | 出村克宣(日本大学) |
連名者2 | 堀江一(日本大学大学院) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 1 |
先頭ページ | 941 |
末尾ページ | 946 |
年度 | 1993 |
要旨 | はじめに 近年、コンクリートの中性化、塩化物イオンの浸透による鉄筋の腐食及びアルカリ骨材反応によるひび割れなどに起因する、鉄筋コンクリート構造物の早期劣化が顕在化し、大きな社会問題として取り上げられるようになり、早急に有効な対応策の確立が望まれている。その中でも、アルカリ骨材反応は、骨材使用量の増加に伴う優良骨材の枯渇から、使用実績のない砕石などの使用により、今後、更に増えるものと思われる。現在行われている抑制措置としては、低アルカリ形セメントの使用、ポゾランの混入、化学混和剤の添加が試みられているものの、低アルカリ条件下でもアルカリ骨材反応は起こり、又、ポゾランは、その混入率によってはアルカリ骨材反応を助長するなどの報告もある。それに比べて、化学混和剤は、その添加率が少ないことから経済的であるなどの利点がある。著者らは、反応性骨材を含むモルタルへの化学混和剤としてのアルキルアルコキシシランの添加によって、その膨張量を反応性骨材未混入のそれと同程度まで低減することに成功しているが、空気量の増大が問題点として指摘される。本研究では、上述のモルタルによる試験結果を踏まえた上で、他の混和剤との併用による空気連行の抑制を試み、アルカリ骨材反応抑制効果のあるアルキルアルコキシシランのコンクリート用化学混和剤としての利用の可能性を検討するため、JISに従ってコンクリートによる試験を行い、その性能を評価する。 結論 以上の結果を結論づければ、次の通りである。(1)アルキルアルコキシシラン添加コンクリートの空気量は、未添加コンクリートのそれに比べて著しく増大するが、高性能減水剤の1.0%添加によって低減される。(2)アルキルアルコキシシランは高性能減水剤を併用することによって、減水率、ブリージング量の比、凝結時間の差、圧縮強さ比、長さ変化比及び凍結融解に対する抵抗性のいずれの試験項目においても、JISによるAE剤の規定を満足する。(3)アルキルアルコキシシランを高性能減水剤と併用しても、アルキルアルコキシシランの持つアルカリ骨材反応抑制効果は失われない。(4)以上のことから、アルキルアルコキシシランは、高性能減水剤との併用によって、アルカリ骨材反応抑制効果を有するコンクリート用化学混和剤として利用できるものと考える。 |
PDFファイル名 | 015-01-1158.pdf |