種別 | 論文 |
主題 | スプレー法によって製作した炭素繊維セメントの基本的特性 |
副題 | |
筆頭著者 | 大野定俊(竹中工務店) |
連名者1 | 柿沢忠弘(竹中工務店) |
連名者2 | 米澤敏男(竹中工務店) |
連名者3 | 岩田正樹(東海コンクリート工業) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 1 |
先頭ページ | 975 |
末尾ページ | 980 |
年度 | 1993 |
要旨 | はじめに 炭素繊維は非常に高い強度を有し、また耐火、耐久性などの特性に優れているため、セメントコンクリートなどの補強材として極めて優れた材料であると考えられる。従来は製造方法の容易さやコスト・パフォーマンスとの関連もあり比較的安価な低グレードのピッチ系炭素繊維を用いて補強したセメント複合体が主として実用化されてきた。しかし、繊維強度700MPa、繊維量2%程度の複合体では3次元配向等の影響を考えると、曲げ強度が10-15MPaを越える複合体を得るのは理論的にも困難である。このため本研究では高い曲げ強度を有するGRCなど他の複合体と競合し得る炭素繊維セメントを得るために、2000-2300MPa程度の強度を有する炭素繊維をダイレクトスプレー法によって2次元配向させたセメント複合体(DSCFC)について検討することとした。特に本報告では各種要因と炭素繊維の分散性との関連、それらの複合体の力学特性に及ぼす影響を中心に最適なマトリックスの選択、複合体の耐久性等について評価、検討した結果を報告する。 まとめ 本研究ではダイレクトスプレー法で炭素繊維補強セメント(DSCFC)の曲げ強度および引張強度の基本的な特性について報告すると共に、炭素繊維の集束剤の影響、適切なセメントマトリックスの流動性、マトリックスの種類が繊維の分散性や複合体の力学的挙動に及ぼす影響、及び促進環境条件における耐久性等について検討した。その結果、DSCFCの曲げ強度は3%の繊維量でGRC(Vf=4.5%)に匹敵する30MPa程度の曲げ強度を得ることができた。繊維とマトリックス間で伝達される付着応力は約1MPa程度であると推定された。一方、繊維径とセメント粒子の相対的な大きさを調整した複合体では繊維束間にマトリックスが十分に浸透し高い曲げ性能、37-40MP、を発揮できることが明らかとなった。また、GRCと比較して行われた促進劣化試験においても力学的特性の低下のないことが認められた。 |
PDFファイル名 | 015-01-1164.pdf |