種別 | 論文 |
主題 | 短繊維補強セメントによる薄板状部材の力学的特性 |
副題 | |
筆頭著者 | 眞嶋光保(大阪市立大学) |
連名者1 | 的場良平(大阪市立大学学生) |
連名者2 | 嵯峨山剛(大阪市立大学大学院) |
連名者3 | 田中正和(日本国土開発) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 1 |
先頭ページ | 981 |
末尾ページ | 986 |
年度 | 1993 |
要旨 | はじめに 鉄筋コンクリート構造物の施工については、一般に型枠、支保工などが工費増大の原因となるうえ、コンクリート硬化後の脱型など施工に手間がかかる。近年、技能工の減少や高齢化による労働不足、特に労働集約型の型枠工事が建設業界で深刻となり、合理化・省力化が急務となっている。このような背景では施工後取り外す必要のない埋設型枠(永久型枠)を考えることは一つの方策である。埋設型枠材料としてセメント系材料を用いることは本体部材と一体となるなどのメリットが考えられる。しかし、セメント系部材は、高い圧縮強度を示すものの引張強度が低いため曲げやせん断・ねじりに対して弱く、また脆性的な挙動をする。このために、セメントモルタル中に短繊維を混入し繊維補強セメント(FRC)とすることが行われるが、これによって、引張強度、曲げ強度、衝撃強度、伸び特性などを改善することが可能となり、さらに、ひびわれ発生が抑制され、発生後も高い耐荷力を示しひびわれを分散することが可能となる。本研究では、繊維補強セメントで型枠材を想定した薄板を作成し、薄板状部材における短繊維補強セメントの力学的挙動を研究することとした。 結論 本研究で得られた結果をまとめると以下のようにまとめられる。(1)補強効果をより大きくするには、作業性が作業性が確保できる範囲内で、より多くの繊維を混入する必要がある。(2)繊維補強セメントの引張強度は、繊維とセメントペーストとの付着および繊維強度が複雑に影響するようであるが、繊維は細くて表面積が大きいものの方が効果があるようである。また、繊維の分散も十分に行う必要がある。(3)繊維が引き抜けるかもしくは破断するかという破壊の形態の違いにより、引張応力-ひずみ関係は異なる。しかし、じん性面における補強効果はどちらがよいとは断定できない。(4)本実験の範囲内では、アラミド(フィラメント)繊維、ガラス繊維および炭素繊維が、引張強度において補強効果を持つようである。また、アラミド(ストランド)繊維およびビニロン繊維がじん性において補強効果を持つようである。(5)高炉スラグ微粉末、フライアッシュを用いるとじん性において補強効果を有する。 |
PDFファイル名 | 015-01-1165.pdf |