種別 | 論文 |
主題 | 打継ぎ用材料の配合の相違が打継ぎ強度に及ぼす影響 |
副題 | |
筆頭著者 | 中島貴弘(群馬大学大学院) |
連名者1 | 森脇貴志(群馬大学大学院) |
連名者2 | 辻幸和(群馬大学) |
連名者3 | 林建志(日本基礎技術) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 1 |
先頭ページ | 1085 |
末尾ページ | 1090 |
年度 | 1993 |
要旨 | はじめに 大規模なコンクリート構造物では、コンクリートを連続して打ち込むことが理想であるが、その規模が大きくなるほど、構造上および施工上の理由から新旧コンクリートの打継目が必然的に多くなる。これらの打継目は入念に施工しないと、打継目の強度や水密性が低下し、構造物の耐力および耐久性が失われるおそれがある。これまで、打継目の施工に際しては、セメントペースト、モルタルあるいは湿潤面用エポキシ樹脂を旧コンクリートの打継ぎ面に塗布して直ちに新コンクリートを打ち込む方法がとられてきた。これらの打継ぎ用材料を用いる場合、打継ぎ用材料を塗布した後、新コンクリートを打ち込むまでの時間(以下、オープンタイムと称する)に制約があり、打継ぎ面に多数の鉄筋が配置されている場合等は、打継目の施工は非常に困難になる。このような事情から、オープンタイムが充分長くとれ、かつ新旧コンクリートの一体化が確保できる打継ぎ用材料の開発が望まれている。本研究では、このような条件を満たすことが期待される打継ぎ用材料として、ポリマーセメントモルタルを用いて、配合およびオープンタイムを変化させて打ち継いだ供試体を作製し、曲げ強度試験を行って得られた曲げ強度を打継ぎ強度として用い、それぞれの打継ぎ強度および破壊面の状況を比較し、ポリマーセメントモルタルの適切な配合の選定における指標を検討するものである。 まとめ 打継ぎ用材料としてのポリマーセメントモルタルの品質を、セメント砂比とポリマーセメント比を要因にとり、オープンタイムを28日まで変化させた鉛直打継目の強度と水平打継目の強度の曲げ強度試験により検討した。本研究の範囲で次のことがいえる。(1)ポリマーセメントモルタルの配合を変化しても、28日までのオープンタイムが打継ぎ強度に及ぼす影響は小さい。(2)鉛直打継目の強度に比べて、水平打継目の強度は、いずれの配合のポリマーセメントモルタルを用いても大きくなり、曲げ強度比で80%程度以上を容易に確保することができる。鉛直打継目の曲げ強度比は60%程度に低下する場合があったが、配合等を考慮することにより、80%程度を確保することができる。(3)ポリマーセメント比P/Cが打継ぎ強度に及ぼす影響は著しくないが、鉛直打継目においては10%程度、水平打継目においては7%程度の場合に最も大きい強度が得られることが多い。(4)鉛直打継目では、打継ぎ用材料と新コンクリートとの界面で破壊するBN破壊の占める割合が多くなるのに対し、水平打継目では、ポリマーセメントモルタルのセメント砂比C/Sの大小により、旧コンクリートとの界面で破壊するOB破壊の占める割合が多くなる場合と、逆に、BN破壊の占める割合が多くなる場合がある。 |
PDFファイル名 | 015-01-1183.pdf |