種別 | 論文 |
主題 | 橋梁床版上の路面の融雪・凍結防止システムに関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 田中周次(山口大学大学院) |
連名者1 | 中村秀明(山口大学) |
連名者2 | 浜田純夫(山口大学) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 1 |
先頭ページ | 1201 |
末尾ページ | 1206 |
年度 | 1993 |
要旨 | まえがき スパイクタイヤの法規制などを契機に冬期道路の安全性に対する国民のニーズはますます高度化しつつある。特に山間部のような積雪寒冷地域では過疎化を抑え、町を活性化するためには冬期の通路における車両交通の安全確保は、円滑な経済活動や日常生活を進めるため必要不可欠のものとなっている。現在我国において実施されている一般的な冬期路面管理としては、グレーダやロータリ車等による機械除雪や塩化物などを中心とした凍結防止剤を路面に散布する方法があるが、除雪には多くの手間と費用を要し、また薬剤散布はコンクリート中の鉄筋の腐食や車両の錆、環境への影響が懸念される。冬期におけるスリップ事故の多くは日の当たらない山の北側斜面や橋梁上で多く起こっている。これは一般道路部が日照や地温(地熱)によって除々に融雪されるのに対し、吹きさらしの橋梁上や日の当たらない山の北側斜面では残雪や凍結の状態となるため、運転者は制限速度内で走っていてもその場所でスリップを起こしてしまうためである。このような問題を解決するため種々の方策が考えられている。最も確実な融雪・凍結防止を行うことができるのはロードヒーティングシステムである。ロードヒーティングシステムには現在主に2つの方法がある。一つは電熱線方式であり、もう一つは温水方式である。温水方式は温水を床版内に埋め込まれたパイプに通すことにより路面を暖め、融雪するものである。これらの研究は過去にもいくらか行われているものの、設計に役立つ実用的な研究は少ない。そこで本研究では、温水方式を対象に橋梁における路面の融雪・凍結防止システムの実用化のため、種々の供試体を作製し、室内実験および冬期における融雪のための現場実験を行い路面への熱の伝達状況を調べるとともに、路面に効率よく熱を伝える橋梁床版の設計について検討する。 結論 本研究は路面の融雪・凍結防止システムの実用化のため、路面に効率よく熱を伝える橋梁床版の設計について検討を行った。その結果、床版の下層に軽量コンクリートを使用することにより、床版自体の自重を軽減でき、また、床版下層からの熱の放出を低減できるため表面によく熱を伝えられることがわかった。しかし軽量コンクリートの厚さが薄かったり厚かったりすると表面温度が下がる。したがって最適な厚さが存在する。軽量コンクリートの最適な厚さは、床版厚からパイプの埋設深さの2倍を引いたものであると考えられる。このように床版を設計することにより、表面に効率よく熱を伝え、床版自体の自重を軽減できる。 |
PDFファイル名 | 015-01-1204.pdf |