種別 | 論文 |
主題 | 寸法効果を考慮したコンクリートの圧縮構成関係に関する実験的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 近藤洋右(三重大学大学院) |
連名者1 | 畑中重光(三重大学) |
連名者2 | 水野英二(名古屋大学) |
連名者3 | 谷川恭雄(名古屋大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 2 |
先頭ページ | 33 |
末尾ページ | 38 |
年度 | 1993 |
要旨 | はじめに コンクリートの圧縮強度の寸法効果は、引張・曲げ・せん断強度の寸法効果に比べて小さく、実大部材の圧縮強度は、通常の供試体(断面φ10cm〜15cm)の圧縮強度のおよそ80〜90%と考えられているが、高強度になるほど寸法効果が大きくなるとの報告も見られる。また、圧縮下のコンクリートのピーク応力以後の破壊性状は、供試体寸法の増大に伴い、かなり脆性的になり、このような寸法効果もまたコンクリート強度に依存して異なるようである。筆者らは昨年度までの一連の研究により、高強度レベルに至るまでの三軸圧縮下のコンクリートの応力-ひずみ関係に及ぼす各種要因の影響を明らかにしてきた。しかし、用いた供試体は、断面の直径あるいは一辺が10cmであり、実部材と比べるとかなり小さい。そのため、これまで得た知見を実部材の挙動解析に適用するには供試体寸法の影響をも論じておく必要がある。本研究では、一軸および三軸圧縮下のコンクリートの応力−ひずみ曲線に及ぼす供試体寸法の影響を実験的に調べる。また、破壊後の供試体の破壊片の大きさを定量的に調べることによって、供試体内部のひび割れパターンの分析を行う。 まとめ 本研究では一軸および三軸圧縮下のコンクリートの応カ-ひずみ曲線に及ぼす供試体寸法の影響を実験的に調べた。また、破壊後の供試体の破壊片の大きさを定量的に調べ、供試体内部のひびわれのパターンを分析した。本研究の結果はおよそ次のようにまとめられる。(1)三軸圧縮下のコンクリートの塑性変形挙動に及ぼす供試体寸法の影響は、一軸圧縮下のそれよりも顕著である。実大部材の靱性の予測にはこの点を考慮する必要があろう。(2)コンクリート供試体の破壊片の総数および分布、すなわち供試体の破壊パターンは、供試体寸法によって異なり、図-5に示す典型的なパターンの中間に位置する。この破壊パターンは、コンクリート強度の影響を受けるが、側圧の影響はあまり受けないようである。(3)コンクリート供試体の破壊片の分布結果に基づき、コンクリートの破壊モデルの概念を提示した。本モデルを定量化すれば、圧縮破壊における寸法効果のエネルギー論的取扱いが可能となる。 |
PDFファイル名 | 015-01-2005.pdf |