種別 | 論文 |
主題 | 鉄筋の離れを考慮した重ね継手部の破壊耐力に関する実験的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 松尾伸之(東日本旅客鉄道) |
連名者1 | 斎藤俊樹(東日本旅客鉄道) |
連名者2 | 齋藤誠(東日本旅客鉄道) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 2 |
先頭ページ | 211 |
末尾ページ | 216 |
年度 | 1993 |
要旨 | まえがき 地下連続壁に使用されるエレメント間の継手は、これまで各種の構造あるいは施工法が開発され、実用化されている。とくに本体基礎構造物としての地下連続壁では、エレメント間の継手が面内、面外方向の応カを負担する機能を必要とし、現在各種の剛結継手が考案されている。一般的には隣接するエレメントの鉄筋をラップさせる構造形式を取っているが、その条件として「地中連続壁基礎設計施工指針((社)日本道路協会)では、水平鉄筋の重ね継手長さ40φ(φ:鉄筋径)以上、さらに重ね合う水平鉄筋間隔を100m以下と設定している。さらに同指針では継手部の許容応力を一般部の80%に低減し、設計することとしているものの、このような鉄筋が間隔を有した場合の重ね継手構造の破壊メカニズムに関しては、未解明な部分が多い。従来より、重ね継手の破壊メカニズムに関する研究は行われている。そうした過去の研究から、重ね継手は鉄筋と鉄筋を重ねた単純な構造であるものの、その強度に与える因子はかなり多く、またそれらの因子は複合的に作用することが知られている。一方、土木学会コンクリート標準示方書には、Orangunらの実験式を基にした重ね継手強度に関する解説式が掲載されているが、鉄筋が離れを有した場合の重ね継手強度を定式化したものはなく、現在の継手部分の設計が十分な裏付けのもとなされているとは言いがたい。このような背景のもと、筆者らはこれまで鉄筋が離れを有した場合の重ね継手の強度、並びにその破壊性状を評価するため、各種パラメーターを変化させた供試体で載荷試験を行い、その結果を報告並びに考察を行ってきた。今回は、さらに実験緒果を追加し、これまでの検討に加え、鉄筋に作用する応力状態やその破壊形態に関する考察を追加したものである。 まとめ 今回の試験結果より以下のような緒論を得た。(1)今回の試験のように、荷重が作用する方向に鉄筋が離れを有した場合の重ね継手部の破壊形態は、鉄筋の離れSが15cmの場合では破壊時、上側鉄筋に働く応力度は小さく、付着破壊ではなく、上下鉄筋間に充損したコンクリートの破壊と考えることができる。(2)曲げ耐力の算定にあたっては、上下鉄筋の離れが5cmや10cmを有した重ね継手で、補強筋等による対策が講じられていない場合は、初期ひびわれの発生位置を考慮し、上側に配置した鉄筋の付着割裂強度を用い、ほぼ評価することができる。(3)また、その初期ひびわれは、下側に配置した鉄筋の重ね継手都先端より外側に発生することから、設計に際しては、下側鉄筋の重ね継手部先端より初期ひびわれが発生するという仮定のもと、重ね長さlを定着長に取り、既存の付着割裂強度算定式を用いれば、ほぼ安全側の耐力を得ることができる。 |
PDFファイル名 | 015-01-2035.pdf |