種別 論文
主題 ガス圧接継手(太径鉄筋D32)の継手集中度が梁部材の性状に及ぼす影響に関する実験的研究
副題
筆頭著者 笹谷輝勝(フジタ)
連名者1 吉野次彦(フジタ)
連名者2 田中礼治(東北工業大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
15
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先頭ページ 235
末尾ページ 240
年度 1993
要旨 はじめに
ガス圧接継手は施工の簡便さ、経済性などから、現在最も多く利用されている鉄筋継手工法である。ガス圧接継手については日本圧接協会発行の「鉄筋のガス圧接工事標準仕様書」があり、実際の作業は同協会が「手動ガス圧接工技量資格検定規定」および「自動ガス圧接工技量資格検定規定」に従って行う検定試験に合格した技量資格取得者に限定されている。継手の設計、すなわち圧接継手の継手集中度および位置に関しては、日本建築学会「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」(以下RC規準)では「鉄筋応力の大きい位置を避けかつ継手位置を同一断面に集中させず、継手位置を相互にずらして設ける」ことが原則とされている。一方、圧接技術の進歩は目覚ましく、継手単体の引張試験結果の統計的調査によると、充分な施工管理を行えばJIS規格の引張強さを充分にクリアー出出来るだけの圧接継手を安定供給できることが分かってきた。さらに、最近の鉄筋コンクリート工事においては品質の向上、施工の合理化等を目的とした工業化工法の開発が盛んであり、鉄筋もプレハブ化した部材を組み立てる工法が多くなり、全数継手(全鉄筋を同一断面で継ぐ)に対する要望がでてきた。このような時代の変化に対して、ガス圧接継手の継手設計法に対しても再検討する必要があると考えられる。これまでガス圧接継手がRC部材の力学的性状に与える影響を調べた実験例は非常に少なく、特に、太径鉄筋(D32)をガス圧接継手したRC部材の実験は全く行われていなかった。本研究は、太径鉄筋(D32)に関してガス圧接継手の集中度、継手位置が曲げ降伏型梁部材の力学的性状に及ぼす影響を実験的に調査すると同時に、全数継手の可能性も検討するために行ったものである。(ガス圧接継手の集中度および継手位置の影響に関する
結論
ガス圧接継手は、継手部に膨らみができ、通常の鉄筋とは異質な部分となるので、それらの異質な部分が、部材の力学的性状に影響を及ぼすと考えられる。そこで本報では、曲げ降伏型梁部材で太径鉄筋D32を使用した場合を対象として、危険断面近傍および危険断面から600mm離れた位置で全数継手した試験体、ならびに継手位置を相互にずらした試験体と継手なし試験体とを単純梁形式の正負交番繰り返し載荷試験を行い比較した。その結果、ひびわれ発生状況、破壊状況、初期剛性、耐力、履歴性状などの力学的性状は継手のない試験体の力学的性状と同等であつた。但し、主筋のひずみ分布はBJ-10のみ、わずかな違いはあるが、それも圧部近傍の降伏の時期が継手のないものと多少ずれる程度で、降伏後の分布は継手のないものと同じであった。一方、BJ-10以外の試験体は継手の有無、継手位置に関係なく、ひずみ分布はほとんど同じあった。これらの結果より、曲げ降伏型の梁部材で太径鉄筋D32を用いた場合でも、ガス圧接継手の辮度および継手位置は、梁部材の力学的性状にほとんど影響を及ぼさないことが分かった。また、曲げ耐力、せん断耐力の算定は継手のない部材を対象とした計算式で充分対応できることが分かった。本実験結果は、今後ガス圧接継手設計を見直す際の有効な資料となると思われる。
PDFファイル名 015-01-2039.pdf


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