種別 | 論文 |
主題 | PCホロー桁の連結構造に関する実験的検討 |
副題 | |
筆頭著者 | 坂本眞徳(中央建設コンサルタンツ) |
連名者1 | 藤井学(京都大学) |
連名者2 | 幸左賢二(阪神高速道路公団) |
連名者3 | 田村章(PC建設業協会) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 2 |
先頭ページ | 253 |
末尾ページ | 258 |
年度 | 1993 |
要旨 | まえがき 道路橋における連結構造は、プレキャスト桁を単純系で架設し、中間橋脚上は鉄筋の重ね継手を用いたRC帯造によって橋体の連続化を図る構造が一般的である。現在、T型桁を用いた連結構造については設計手法の標準化がなされており、1970年代から実橋レベルにおいて使用が図られている。しかしながら、昨今の社会情勢から現場作業の省力化、工期の短縮が要望されており、T型桁に比べて現場足場、型枠、現場打設コンクリート量の少ないプレキャスト中空ホロー桁の採用が増加する傾同にある。ホロー桁を対象にした連結構造の実績はあるものの、その設計手法については現在まで明確にされたものは少なく、今後実用化に向けて検討を加える必要がある。一般にプレキャスト桁を用いた連結部の構造は図-1に示す通りT型桁は剛な横桁を介する構造であるのに対して、ホロー桁は主桁断面内の連結となる。このため連結部の構造について従来の設計基準をそのまま適用することは困難であると考えられる。また主桁としでJlSA5313(スラブ橋用プレストレストコンクリート桁)の仕様を適用すると、次のような制約条件が挙げられる。1)ホロー桁はT型桁に比べ桁高が低く、有効高不足から鋼材配置が困難となることが多い。2)桁突き合せ部ではプレキャスト部材断面の占める割合が大きく連結方法の十分な検討が必要。3)JISA5313を用いた橋梁での桁間コンクリートはσck=240kgf/cm2を使用することになっており、コンクリートと鋼材の十分な付着を確保するための検討が必要である。以上の制約条件の基で実施した試験のフロー図を図-2に示す。まず予備実験として4種類の連結方法について曲げ試験を行い、効果が認められた2種類について予備実験結果に基づいて改良を加えたのち、詳細(曲げおよび疲労)実験により総合評価を実施した。本報告は一連の実験のうち、現在までに実験を完了した曲げ試験概要について述べるものである。 まとめ 以上のように詳細曲げ試験においては、H鋼埋め込みおよび従来方式とも破壊荷重・曲げ剛性等は予備試験に比べると大幅な改善が認められる結果となった。PCホロー桁に関する曲げ試験結果をまとめると以下のようになる。1)PCホロー桁の連結構造効果を比較するために実施した4種類の連結構造に対する曲げ試験(予備実験)においては、従来方式(RC鉄筋継手)がひびわれ性状、耐荷力ともに最も優れた結果を得た。一方、H鋼埋め込み方式は耐荷力的には十分であったが、埋め込み長さが十分でないためと推定される鋼材端部破壊を生じた。2)コンクリート強度等の改良を行った従来およびH鋼埋め込み方式を対象とした詳細曲げ試験においては、両方式ともひびわれ分散性および耐荷力の改善が認められ、実橋レベルでの適用が可能であると考えられる。3)実験破壊荷重は、材料試験結果を用いた計算破壊荷重に比べても2〜3割程度高い値となった。これについてはPC鋼線の横締め効果、鋼材の材料非線形性などが考えられるが、さらに定量的な評価が必要である。 |
PDFファイル名 | 015-01-2042.pdf |