種別 | 論文 |
主題 | 鉄筋コンクリート造有孔梁の簡易補強方法に関する実験的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 前口剛洋(西日本工業大学) |
連名者1 | 出光隆(九州工業大学) |
連名者2 | 山崎竹博(九州工業大学) |
連名者3 | 渡辺明(九州工業大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 2 |
先頭ページ | 299 |
末尾ページ | 304 |
年度 | 1993 |
要旨 | まえがき 従来の鉄筋コンクリート造有孔梁の孔部周辺補強方法は、鉄筋工によって孔部上下の縦筋(小肋筋)、横筋及び斜筋等のせん断補強筋をそれぞれ一本ずつ加工切断し、現場で組み立てていく方法が取られていたが、このような補強方法では、(1)熟練鉄筋工が必要、(2)施工期間に影響、(3)施工精度、検査管理及び安全性に難がある等の問題点が存在しており、最近の建設業界における現場労働者及び技能工不足も相まって対処できなくなってきた。そこで今日では、これらの幾つかの問題点を解消するため、孔部周辺のせん断補強筋を集約することによって、補強方法の簡素化及び省力化を図ったいわゆる既製簡易補強材が研究開発され、一般的に使用されるようになってきた。しかし、これらの既製補強材を用いても、鉄筋工によって既に精度よく組み立てられている鉄筋の結束を一旦緩めて肋筋やスラブ定着筋を移動させ、開口位置にボイド管及び補強金物を設置し組み立てた後、再度肋筋やスラブ定着筋を基の位置にもどして結束仕直さなければならないことから、二度手間作業を行なうことになる。また、これらの一連の補強作業が逆に配筋全体の施工精度の低下に影響を及ぼす恐れもある。この対策として、鉄筋工と設備配管工との合番作業が実施される場合がある。この方法は設備配管工側にとって大変非合理的な方法と言われているが、鉄筋工と設備配管工との充分な連絡及び打合せがされていないと、工期の遅延原因となる。また、工事期間に余裕のない建物等では、配筋工事終了後に設計変更による開口部の追加や開口位置の変更及び設置箇所の見落し等も充分考えられることから、その後の現場責任者による迅速な対応も必要となってくる。 まとめ 本報告は、有孔梁の孔部周辺補強方法の改善を図るため、特異な形状を有する2種類の簡易補強金物を提案し、その提案補強金物の考案に至った背景、補強金物の形状と構成及び補強作業性に関する特色等を述べた。また、その力学的な補強効果をせん断実験を行ない検討した。それによると次のことがいえる。(1)鉄筋製補強金物を用いて梁幅方向に3列配筋した補強配筋法も2列配筋同様に設計式を用いて評価できる。(2)鋼板製補強金物で補強したKP32試験体の計算値に対する実験値の比は、鉄筋製補強金物の試験体(2K試験体)と同じ値を示したことから、設計式を用いて評価できる。(3)鋼板製補強金物KP45試験体は、計算値に対する実験値の比が他の試験体に比べて小さい値を示した。本実験ではその原因は明らかではないが、原因の1つとして鋼板特有の定着部の付着力不足による影響とも考えられることから、鋼板製補強金物の定着部の付着性状の解明については今後の課題としたい。 |
PDFファイル名 | 015-01-2050.pdf |