種別 論文
主題 平滑な面における鉄筋のせん断伝達機構に関する研究
副題
筆頭著者 篠田佳男(前田建設工業)
連名者1 大野琢海(前田建設工業)
連名者2 田中伯明(前田建設工業)
連名者3 鈴木顕彰(前田建設工業)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 479
末尾ページ 484
年度 1993
要旨 はじめに
鉄筋コンクリート構造においてひびわれ面や打継ぎ面に作用するせん断力は、せん断面の凹凸による摩擦、鉄筋とせん断面との角度から生じる鉄筋の分力、及び鉄筋のダボ効果により伝達される。これが平滑面で、鉄筋がせん断面と直交する部分でのせん断伝達は、鉄筋のダボ効果に期待することとなり、既往にも多くの研究成果が報告されている。例えば、Pauleyらは、ダボ効果を鉄筋の曲げ、せん断、及びkinkingの3形態に分類し、それぞれに対して検討を加えている。また、Dalacskaは、鉄筋の曲げを重視したモデル化に基づいた耐力算定式を示している。しかし、既往の研究は、実験的な取り組みにおいて比較的細径の鉄筋で実施されており、太径の鉄筋への適用性に関しては問題が残されている。とりわけ、最近の構造物の大型化を考えると、さらに太径の鉄筋に関する情報を蓄積する必要がある。本研究は、このような背景を考慮し、一連の一面せん断実験によりデータを収集し、平滑な面におけるせん断達機構を明確にし、評価方法の確立を目的としたものである。なお、本報告は、鉄筋の抵抗機構を実験結果に基づいて検討を加えたものである。
結論
本研究は、平滑な面における鉄筋のダボ効果に関する抵抗機構を実験的に検討を行い、以下に示す結論を得た。(1)打継ぎ面が平滑でも、コンクリート間には摩擦抵抗が存在し、摩擦により伝達されるせん断力は、初期から相対ズレ変位が2.0mmに至るまでほぼ同一の値を示していた。(2)鉄筋は、軸引張力も受けるが、曲げが支配的な抵抗機構を示し、2.0mmの相対ズレ変位量時には鉄筋の全塑性モーメントに近い値となっている。このような抵抗機構は、打継ぎ面における摩擦力の有無に関わらず、同一となっていることが確認された。(3)鉄筋への作用荷重としてコンクリートの応力を算定すると、打継ぎ面から0.5Dあるいは1.0Dと打継ぎ面近傍に1500kgf/cm2と一軸圧縮強度の4〜5倍に相当する局部応力が存在していると推定された。このような高応力状態は、内部の健全なコンクリートによって周囲が拘束された結果生じたものと思われる。
PDFファイル名 015-01-2080.pdf


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