種別 論文
主題 コンクリート橋診断ニューロファジィエキスパートシステムの開発
副題
筆頭著者 宮本文穂(神戸大学)
連名者1 森川英典(神戸大学)
連名者2 木下和哉(神戸大学大学院)
連名者3 竹内和美(兵庫県)
連名者4  
連名者5  
キーワード
15
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先頭ページ 771
末尾ページ 776
年度 1993
要旨 はじめに
一般にコンクリート橋は、耐久性、耐荷力の低下による劣化がほとんど無いメンテナンス・フリーの構造物といわれてきたが、塩害や中性化、アルカリ骨材反応等が原因となる耐久性、耐荷力の低下が見受けられるようになっている。このような損傷の進行をできる限り最小限に抑えるように補修・補強を含む維持管理が行われているが、それが体系的に行われているとはいえないのが現状である。このような背景のもと、従来より薯者らは、橋梁の維持管理の基本フローの内、体系的な補修・補強処置方法を確立する上で特に重要と考えられる「診断」について専門技術者が有している経験、知識を集約し、合理的に処理することを目的としたシステム化手法のために、診断対象橋梁の目視点検程度の情報から耐用性判定を行う「コンクリート橋診断エキスパートシステム」の開発を行ってきている。現段階では、専門家の持つ知識の主観的あいまいさの取扱い手法としてファジィ理論を適用したこと、また、システムによる診断対象橋梁の余寿命予測を可能にしたことでかなり実用化に向けてレベルが高められてきている。しかし、今後、知識ベースの保守および質の向上という観点から知識の更新を行っていくことが必要であり、これがさらなる実用化に向けてのボトルネックになっているのが現状である。そこで本研究では、知識の更新を比較的容易に行うことのできるニューラルネットワークおよびファジィ推論が可能である連想記憶を適用した推論機構を本システムに導入することによって「コンクリート橋診断ニューロファジィエキスパートシステム」の開発を行うとともに、複数の実橋試験時に実施した専門技術者に対する耐用性評価アンケート調査結果を「教師データ」として利用することにより新システムの知識更新の有効性を検証するものである。
結論
以下本研究で得られた成果をまとめる。(1)コンクリート橋診断に関する専門技術者の主観的あいまいさの取扱いをファジィ理論で、また、システム内の知識ベースの更新をニューラルネットワークで実行可能な「コンクリート橋診断ニューロフアジィエキスパートシステム」の開発を行った。その際、ニューラルネットワークがブラックボックス化することを最小限に抑えるため、各sub goa1のルールごとに分割したネットワークの構築を行うとともに、ニューラルネットワークに連想記憶を組み合わせることにより、ファジィ推論に類似した推論を行うことを可能とした。(2)開発した「コンクリート橋診断ニューロファジィエキスパートシステム」を既存コンクリート橋に適用し、専門技術者に対するアンケート調査を利用して、ニューラルネットワークによる知識の洗練を行った。これにより、良好な知識の洗練結果が得られたため、本システムの知識更新機能の有効性が検証できたと考える。
PDFファイル名 015-01-2130.pdf


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