種別 | 論文 |
主題 | 吊床版橋の静的および動的力学特性 |
副題 | |
筆頭著者 | 中沢隆雄(宮崎大学) |
連名者1 | 今井富士夫(宮崎大学) |
連名者2 | 前田文男(ピー・エス) |
連名者3 | 高橋司(ピー・エス) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 2 |
先頭ページ | 847 |
末尾ページ | 852 |
年度 | 1993 |
要旨 | はじめに 我国の吊床版橋は1969年に大阪万国博9号橋が竣工して以来、施工実績も増加し、最近では吊支間が100mを越える橋も建設されている。この種の構造形式が経済性や施工性に優れており、また優美な景観的特色も有することなどから、歩道橋のみならず道路橋への適用と今後ますます発展・長大化していくものと思われる。吊床版橋は曲げ剛性の小さな柔構造形式であり、その変形性能が可撓性のケーブルに依存するため、解析はケーブル理論や幾何学的非線形性を考慮した大変形理論による必要がある。また振動の問題も重要となるため、この種の橋梁の動特性の研究も行われてきている。昨年、我国最大の支間長を有する吊床版歩道橋(うさぎ橋、宮崎県北方町)が完成した。本橋の断面力の算出にあたり、橋体自重に関してはケーブル理論、活荷重に関しては大変形理論が適用された。また、従来の吊床版橋においては、橋台と床版の接合部では温度変化や活荷重による回転変形が大きくなるため、曲面支承区間を設け、たわみの変化に追随して支持点が移動できるような形状としているが、本橋では接合部を完全に剛結とし、床版厚を変化させることによって回転変形量を分散させるようになっている。本論文は、本橋の静的・動的試験を行い、設計理論の妥当性ならびにケーブル理論との比較による橋台と床版の接合蔀を剛結としたことへの影響、さらに振動特性などについて理論的・実験的に検討を行ったものである。 まとめ 本吊床版橋の静的および動的特性に関して得られた成果を要約すると、次のとおりである。(1)ケーブル理論において床版の曲げ剛性を考慮しても、その影響は荷重載荷点近傍にのみに限定される。(2)本橋のように端部回転拘束の影響が大きい場合、そのような支持条件を考慮した大変形理論を適用すべきである。(3)本実験で載荷した程度の荷重の範囲では、荷重-変形関係に非線形性は認められなかった。(4)本橋は歩行者の歩調に近い固有振動数を有している。 |
PDFファイル名 | 015-01-2143.pdf |