種別 論文
主題 片引き試験による連続繊維補強材の局所付着応力―すべり関係
副題
筆頭著者 菅哲治(徳島大学大学院)
連名者1 島弘(徳島大学)
連名者2 本間雅人(日本コンクリート工業)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
15
2
先頭ページ 859
末尾ページ 864
年度 1993
要旨 はじめに
連続繊維補強材をコンクリート構造物へ適用する場合、鋼材の場合と同様にコンクリートとの付着特性について研究する必要がある。連続繊維補強材の付着特性に関する研究としては、ほとんどが定着長の短い付着強度試験であり、この付着試験では、ひずみが十分大きくない状態で補強材が引き抜ける。しかし、連続繊維補強材は、一般にヤング係数が小さいために、ひずみおよびすべり量が大きくなるので、部材中の挙動に近くするためには、ひずみおよびすべり量が大きい時の付着応力で付着特性を判断する必要があるときが多いと考えられる。この点についての既往の研究としては、部材実験に近い形での付着試験から定着長の相違が付着強度に与える影響あるいは定着長の異なる引抜け試験におけるひずみ分布の測定による局所付着応力-すべり関係を求めたものもあるが、種類の異なる補強材について十分に大きいひずみとなる状態で局所付着応力-すべり関係を調査したものはない。そこで本研究では、定着長の十分長い片引き試験を行い、連続繊維補強材のひずみ分布から局所付着応力-すべり関係を求めた。連続繊維補強材は、代表的なものとして組紐状アラミド繊維補強材、より線状炭素繊維補強材およびその比較用としてPC鋼より線を取り上げ、局所付着応力-すべり関係に対するコンクリート強度と補強材径の影響について検討を行った。
結論
(1)定着長が十分長い片引き試験から求められる連続繊維補強材の局所付着応力-すべり関係は、載荷端近傍を除いて補強材軸に沿った位置に関わらず同じである。(2)連続繊維補強材の集束方法(組紐状あるいはより線状)の違いにより、局所付着応力-すべり関係の形に大きな違いが見みられた。組紐状のアラミド繊維においては鉄筋と同様の曲線形であり、すべり量とともに付着応力が大きくなるが、より線状の炭素繊維とPC鋼線においては最大付着応力発生後に付着応力が低下した後ほぼ一定となる。(3)コンクリート強度が達続繊維補強材の付着応力-すべり関係に及ぼす影響としては、組紐状アラミド繊維ではほとんど見られず、より線状の炭素繊維とPC鋼線においては付着応力はコンクリート強度の1/2乗から2/3乗程度に比例する。(4)組紐状アラミド繊維の付着応力-すべり関係において、すべり量は補強材径に比例する。
PDFファイル名 015-01-2145.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る