種別 論文
主題 連続繊維補強コンクリート部材のひびわれ幅評価
副題
筆頭著者 福山洋(建設省)
連名者1 松崎育弘(東京理科大学)
連名者2 中野克彦(東京理科大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 905
末尾ページ 910
年度 1993
要旨 はじめに
コンクリート部材における変形の基本要素である曲げひびわれ幅は、ひびわれ断面における引張補強筋の性質に大きく依存している。そのため、ヤング係数や付着性状が鉄筋と異なる連続。繊維補強材を用いた場合には、ひびわれ幅の評価方法が鉄筋コンクリートの場合と異なる可能性が考えられる。本報は、各種連続繊維補強コンクリートのひびわれ性状を調べ、鉄筋コンクリートに対する評価方法を適用した場合の問題点を顕在化し、連続繊維楠強コンクリート部材のひびわれ幅の評価方法を提案するものである。鉄筋コンクリート部材のひびわれ幅評価に関する既往の研究は数多くあり、各国の規準にその成果が取り入れられている。これらの中では、プレストレスト鉄筋コンクリート構造設計・施工指針・同解説(PRC指針)の式が、鉄筋量が少ない場合や広範囲の鉄筋応力に対しても適応性が良いことが示されている。連続繊維補強材を用いる場合は鉄筋の場合に比べて、耐久性に関するひびわれ幅の制限値が緩和できそうであることを考えると、評価式は比較的大きな主筋応力までを対象とすべきであり、またたわみ等を抑えるためにプレストレスを導入することも充分に考えられるため、このような部材も対象とすべきと考えられる。そこで本報では、PRC指針式を連続繊維補強のRCおよびPRC部材の評価式として用いることにし、その適応性を調べ適用に対しての考え芳を整理する。PRC指針式は、ひびわれ幅を平均ひびわれ間隔と平均鉄筋ひずみの積で算出する方法を採っているため、本研究ではまずそれぞれの項目について検討を行い、次にこれらより得られた評価方法をはり部材の試験結果により検証する。
結論
連続繊維補強コンクリートのひびわれ幅を評価するために、平均主筋ひずみと平均ひびわれ間隔について、PRC指針式の適応性を実験結果を基に検討した。さらに、これらから得られた評価方法を梁部材の実験結果を用いて検証した。本研究の結論を下記に示す。なお、この結論は、鉄筋と同等もしくはそれ以上の付着性能を有する連続繊維補強材を用いた場合についてのものである。それ以外の場合については、現状では一般的な評価は不可能であるため対象外とする。(1)平均主筋ひずみは連続繊維補強材と鉄筋のヤング係数比倍、鉄筋コンクリートに比べ大きくなる。従って、PRC指針式の鉄筋のヤング係数の代わりに各補強材のヤング係数を代入すれば、従来と同様に評価できる。ただし連続繊維補強材は一般に径が小さくまたヤング係数が小さいため、鉄筋コンクリートを対象とした算定式では平均主筋ひずみを過大評価する可能性がある。(2)連続繊維補強コンクリートの平均ひびわれ間隔は、同じ主筋応力度に対しては鉄筋よりも小さくなるが、ひびわれ定常状態ではほぼ鉄筋と同等であるため、PRC指針式で算定できる。(3)連続繊維補強材を用いたRC部材およびPRC部材のひびわれ幅は、補強材のヤング係数を代入することによりPRC指針の式で評価することができる。
PDFファイル名 015-01-2153.pdf


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