種別 論文
主題 連続繊維筋を用いたコンクリート梁の耐火性能
副題
筆頭著者 蓮尾孝一(三井建設)
連名者1 岡本直(三井建設)
連名者2 谷垣正治(三井建設)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
15
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先頭ページ 917
末尾ページ 922
年度 1993
要旨 はじめに
近年、連続状の繊維を樹脂等で含浸した複合材料を、コンクリートの補強材として実用化するための研究が各方面で行われている。素材繊維あるいはマトリクスが有機系材料の連続繊維筋を用いたコンクリート部材では、その耐火性能が懸念される。しかしながら、火災時にコンクリート部材中の繊維筋が受ける熱的あるいは応力的環境は、繊維筋そのものの熱間引張試験での状態と必ずしも同一でないため、熱間引張試験の結果から、部材としての耐火性能を一義的に論ずることは困難である。したがって、より実状に近い状態を再現するためには載荷加熱試験を行う必要があると思われる。そこで、ここでは繊維筋を用いたコンクリート部材の耐火性能に関する基礎的データを得ることを目的として、実大のコンクリート梁を設計・作製して載荷加熱試験を実施した。またその結果を、FEM熱伝導解析より求めたコンクリートの内部温度状態と比較検討を行い、耐火試験後の試験体より取り出した繊維筋の引張耐力についても確認して、耐火試験および加熱引張試験結果と比較した。
まとめ
組紐状アラミド繊維や炭素繊維による繊維筋を、主筋、せん断補強筋および緊張材に用いたプレストレストコンクリート梁の載荷加熱試験を行い、その耐火性能を確認した。またその結果を、FEM熱伝導解析による内部温度状態、および加熱引張試験結果と比較検討した。これより得られたものをまとめると以下のとおりである。1)本梁は加熱後約90分まで安定したたわみ性状を示し、約2時間後に緊張材に用いたアラミド繊維筋が破断した。その時の主筋温度は約400℃、緊張材温度は約1OO℃であった。2)主筋のようにかぶりが少ない部位の繊維筋の劣化は、その加熱引張試験結果より推定できが、より内部の繊維筋の劣化に関しては、水蒸気による影響を考慮する必要がある。3)コンクリート表面に近い部位の温度推移は、FEM解析でほほ追跡することができた。しかし、より内部の温度状態を把握するためには、コンクリート中の水分の蒸発による移動を考慮する必要がある。4)以上のより、本梁は1時間半程度の耐火性能を有していると考えられる。本試験では、加熱後の梁の耐力を確認していない。このため、火災後再使用を考える場合には、加熱後の耐力等を確認する必要があり今後の課題である。
PDFファイル名 015-01-2155.pdf


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