種別 | 論文 |
主題 | 組紐状AFRPロッドで補強したRC梁の耐衝撃挙動 |
副題 | |
筆頭著者 | 三上浩(三井建設) |
連名者1 | 田村富雄(三井建設) |
連名者2 | 岸徳光(室蘭工業大学) |
連名者3 | 松岡健一(室蘭工業大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 2 |
先頭ページ | 923 |
末尾ページ | 928 |
年度 | 1993 |
要旨 | はじめに 最近、各種の連続繊維補強材(FRPロッド)をコンクリートの補強材として用いる研究が盛んに行われている。また、一部ではPC緊張材の代替などとして実繕造物にも適用されている。FRPロッドは軽量で高引張強度を有し、また耐蝕性に優れ、非帯磁性であるなど在来の補強材にない優れた特質を有している。しかし、FRPロッドのヤング係数は鋼材の1/2から1/3程度と低く、またコンクリートとの付着特性は異形鉄筋と大きく異なることや繊維と樹脂の複合材料であることなど、コンクリートの補強材として適用するにあたって留意すべき点もいくつか指摘されている。FRPロッドに関する従来の研究には、梁の主筋やせん断補強筋あるいはPC梁やPRC梁の緊張材の代替として用いることに関するものが多く見受けられる。また対象とする荷重は静的荷重が多く、動的荷重下における挙動を検討した例は著者らの例を除いては極めて少ないのが現状と思われる。著者らはFRPロッドが高い弾性伸び率を有しかつ降伏点をもたないことに着目して、FRPロッドで補強したRCスラブの衝撃応答性状や耐衝撃性を検討してきた。その結果、補強筋の剛性(ヤング係数に断両積を乗じたもの)や付着特性がRCスラブの衝撃応答性状に大きな影響を与えることが判った。特に、繊維を組紐状に編み上げて成形したロッドの表面に珪砂を接着させた砂付きのアラミド繊維製FRP(AFRP)ロッドで補強したスラブは、異形鉄筋で補強したスラブよりも耐衝撃性に優れていることが判った。本文は、異形鉄筋および組紐状の砂付きAFRPロッドを主筋とするRC梁を製作し、重錘を梁中央に自由落下させて衝撃実験を行い、各々の挙動を比較検討したのでその結果を報告するものである。ここでは特に、補強筋の配置(単筋配置と複筋配置)および下端補強筋比(1%と2%)が梁の変位応答や補強筋の歪応答ならびに衝撃低抗強さやひびわれ性状に与える影響を各々の補強筋を用いた梁で比較検討した。 まとめ 異形鉄筋および組紐状AFRPロッドで補強したRC梁の耐衝撃挙動を補強筋比および補強筋配置に着目して室内実験によって明らかにした。本実験より得られた結果を要約すると、(1)応答変位性状とひびわれ性状は密接に関連している。(2)最大応答変位量や変位分布性状は補強筋の剛性に顕著に影響される。(3)補強筋の剛性は主たる応答歪波形の継統時問に影響を与える。(4)載荷速度が大きい場合、異形鉄筋で補強した梁では補強筋配置が歪の応答性状に大きな影響を与える。すなわち、下端補強筋比も歪応答に影響を与える可能性がある。(5)AFRPロッドを複筋で配置した梁が最も衝撃低抗強さに優れていたが、異形鉄筋を用いた梁では下端補強筋比、AERPロッドを用いた梁では補強筋配置が衝撃低抗強さに与える影響度合いが大きい。(6)異形鉄筋で補強した梁のひびわれは上下方向に進展し、スパン中央で角折れが生じやすい。一方、AFRPロッドで補強した梁のひびわれは上下方向の他に水平方向、斜め方向にも分散して多数発生し、梁部材として全体的な変形挙動を示す。 |
PDFファイル名 | 015-01-2156.pdf |