種別 | 論文 |
主題 | 先行荷重の影響を考慮したRC合成梁の挙動に関する実験的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 河野一徳(前田建設工業) |
連名者1 | 田中伯明(前田建設工業) |
連名者2 | 篠田佳男(前田建設工業) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 2 |
先頭ページ | 1079 |
末尾ページ | 1084 |
年度 | 1993 |
要旨 | はじめに 連続地中壁は、従来、山留壁などの仮設構造物として施工される場合が多かった。しかしながら、施工の合理化に対する二ーズの高まりとともに、連続地中壁を本体構造物の一部として利用する場合が増えてきている。その一例として、掘削時に山留め壁として利用した地下連続壁に後打ち壁を打ち継いで一体構造壁とする場合が挙げられる。この場合、連壁部は掘削時から後打ち壁が打ち継がれるまでの間、土水圧などの荷重(ここでは、先行荷重と定義)を受けた状態となる。したがって、このような構造物の設計を行う上では、先行荷重が合成壁の耐力および変形性状に及ぼす影響を把握しておくことが重要となる。しかしながら、現行の設計示方書においては、この先行荷重の取扱いについての明確な記述は見られない。そこで、本研究においては、このような先行荷重がRC合成梁の耐力および変形性状に及ぼす影響について実験による検討を行った。具体的には、先行荷重を載荷した梁に後打ち梁を打ち継いで作製したRC合成梁試験体に対して載荷試験を実施し、その結果と著者らが実施した同じ配筋の一体構造試験体に対する試験結果との比較検討を行った。 結論 本研究により得られた結論を以下に示す。(1)検討したすべての試験体の終局時の抵抗モーメントはほぼ同等の値を示した。このことは、先行荷重による鉄筋応力が許容応力度程度の場合は、先行荷重は耐力に影響を与えないことを示していると考えられる。(2)先行荷重により部材が応力を受けている場合でも、断面内のひずみ分布は、載荷開始時を初期値と考えれば平面保持の仮定が成立していることが確認された。このことから、曲げモーメントから曲率を評価することが可能となると考えられる。ただし、そのためにはさらに詳細な検討が必要である。(3)先行荷重によって発生した曲げひびわれが、合成梁の斜めひびわれの発生時期および発生パターンに影響を与える可能牲があることが明かとなった。今後、先行荷重の導入レベルや合成梁のせん断スパン比を変えた試験を実施し、先行荷重がRC合成梁の挙動に及ぼす影響について、詳細な検討を行っていく予定である。 |
PDFファイル名 | 015-01-2182.pdf |