種別 論文
主題 単独せん断破壊型耐震壁の架構における靱性評価の解析
副題
筆頭著者 川辺祥一(東京工科専門学校)
連名者1 望月重(武蔵野興業大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
15
2
先頭ページ 1161
末尾ページ 1166
年度 1993
要旨 はじめに
せん断破壊型耐震壁の代表的な破壊形式として、付帯ラーメンのせん断破壊により破壊に至る場合と、壁板の圧縮破壊(スリップ破壊)により破壊に至る場合を挙げることが出来る。付帯ラーメンのせん断破壊により破壊に至る場合は、急激な破壊を生じる。それに対して、壁板のスリップ破壊の場合は、最大荷重以降も耐力の低下が小さく、靱性に優れた破壊形式となることが、実験等により示されている。鉄筋コンクリート耐震壁の耐力が壁板のスリップ破壊で決まる場合の研究に関しては、富井博士ら、今井博士、筆者の一人によるものがあるが、富井榑士ら、今井博士の研究は、主として1層1はり間の単独耐震壁、多層1はり間の連層耐震壁または1層多はり間の連スパン耐震壁といったような付帯ラーメン付き耐震壁の場合のみであった。それに対して、筆者らは、スリップ破壊が、付帯ラーメンと連続ラーメンの拘束効果により影響されることに着目し、実験および壁板をブレースで置換したモデルにより最大荷重以後の挙動を考慮したプログラムを開発し、解析を行ってきた。既往の研究では、非線形解析手法として荷重増分法を用いたために、スリップ破壊をする試験体において最大荷重以後の耐力の低下を解析において十分に再現できたと言えなかった。[5]の研究では、非線形解析手法として変位増分法を用いて、スリップ破壊をする試験体の最大荷重以後の耐力低下を再現出来たが、せん断破壊をする試験体において、フレームのせん断破壊による耐力低下を再現することは出来なかった。そこで、本研究では、[51で作成したプログラムをフレームのせん断破壊による耐力の低下を考慮するように一部変更を行い、そのプログラムを[31[41[51で行った試験体に適応し、得られた結果に対して検証を行うことにより妥当性を確認する。さらに本プログラムを用いて、せん断破壊型耐震壁を有する架構において、靱性のある破壊モードになるための条件について、3層3スパンで各層に単独耐震壁を含むラーメン架構のモデルを設定し、壁の配置および壁厚を変えた場合について解析を行い、配置および壁厚の変化がラーメン架構を含む耐震壁の靱性におよぼす影響について試行する。
まとめ
本研究から得られた結論を以下に要約する。1)解析モデルおよび解析方法は、既往の実鹸との比較から、せん断破壊型単独耐震壁を含むラーメン架構の解析に適応できることが示された。また、既往の研究では、フレームのせん断破壊による耐力低下を再現することは出来なかったが、本解析において、フレームのせん断破壊による耐力低下を考慮することにより、せん断破壊をする試験体の耐力低下を再現することが出来た。2)3層3スパンモデルを設定し、6通りの壁板の配置に対して、厚さを変えた場合の解析を行い、配置および壁厚により破壊モードが異なることを示した。3)今回解析したモデルにおいて、壁厚が20cm、15cmの場合、壁板の配置により破壊モードは異なる。それに対して、壁厚が10cmの場合は壁板のスリップ破壊を生じ、またスリップ破壊が生じる時の部材角のバラツキは比較的少ない。
PDFファイル名 015-01-2196.pdf


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