種別 報告
主題 シリカフューム超高強度コンクリートによるRC造耐震壁付きラーメン架構の実大施工実験
副題
筆頭著者 岩清水隆(竹中工務店)
連名者1 西崎隆氏(竹中工務店)
連名者2 河野浩司(竹中工務店)
連名者3 米澤敏男(竹中工務店)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 87
末尾ページ 92
年度 1993
要旨 はじめに
近年、我が国においては、超高層集合住宅を中心にFc=420〜480kgf/cm2の高強度コンクリートが実施工されている。しかし、そのほとんどが純ラーメン構造であり、耐震壁付きのRC造の施工例はみられない。一方、コンクリートの高強度化に伴い、コンクリートの粘性は増大する傾向を示し、特に海砂を使用する地域では、海砂の粒形が悪いため、超高強度コンクリートは極めて粘性の高いものとなり、流動性の確保が困難である。超高強度コンクリートの粘性の低減および強度の向上を目的として、シリカフュームの利用が検討され、充填形鋼管コンクリートにおいてFc=600kgf/cm2の超高強度コンクリートが圧入によりすでに施工されている。しかし、RC造においてシリカフュームを使用した事例はみられない。また、超高層RC造においては、従来施工上打ち分けが困難であることから、梁およびスラブにおいても柱部材と同一強度の高強度コンクリートが施工されていたが、梁およびスラブにおいては、高強度化の要求は柱部材と比較して小さく、逆に高強度化に伴うスラブのコテ仕上げの困難さの増加等が問題となっている。本報告は、RC造耐震壁付ラーメン架構における海砂を用いた設計基準強度600kgf/cm2のシリカフューム超高強度コンクリートの流動性と充填性の確保および構造体強度の把握を自的に実施した、実大施工実験の結果をまとめたものである。
まとめ
シリカフューム超高強度コンクリートに関する実大施工実験を通して以下のことが結論される。(1)シリカフュームの利用により、海砂を用いた超高強度コンクリートの粘性を低減し良好な流動性を確保することができる。本実験に用いたシリカフュームの混入率は7.5%が最適であった。(2)標準水中養生供試体と比べて構造体強度は、標準期、夏期には水和熱のために低下するが、シリカフュームを用いたコンクリートは、用いていないコンクリートに比べてこの低下が少ない。(3)シリカフュームを用いることにより、海砂を使用したFc=600kgf/cm2のコンクリートでも良好な流動性と充填性を確保することができ、耐震壁付きラーメン架構を効率的に施工することができる。(4)PCaパネルを用いた柱と梁の打ち分け部においてもコンクリートは良く充填され、本方法によるコンクリートの打ち分け施工が可能である。(5)実大施工実験における構造体強度はFc=600kgf/cm2を満足する値が得られた。また、分離打・一体打共に鉛直方向の強度差は比較的小さく、均質なコンクリートの打設が可能である。(6)構造体強度は、標準期・夏期の水和熱による強度低下に対して、冬期においては低い気温による水和の遅れも問題であり、材令4週で構造体強度を確保するためには、低い養生温度による強度補正をする必要がある。
PDFファイル名 015-02-1012.pdf


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