種別 | 報告 |
主題 | 逆打ち部分への締固め不要コンクリートの適用 |
副題 | |
筆頭著者 | 宇野洋志城(佐藤工業) |
連名者1 | 石尾武雄(佐藤工業) |
連名者2 | 水島一行(電気化学工業) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 1 |
先頭ページ | 205 |
末尾ページ | 210 |
年度 | 1993 |
要旨 | まえがき 一般に、発電所ケーシング部周辺は過密配筋となり、特に、スピードリング(ケーシング内周側に接続する2枚の環状板を連結して整流と補強の役目を果たすステーリングを円周状に配置されたもの全体を称する)下端部分では逆打ちによる施工になることもあり、コンクリートの締固めを行うことはほとんど不可能となっている。そのため、これらの部分においては従来の普通コンクリートを用いた場合には未完填箇所が残りやすく、多量の樹脂モルタルあるいは無収縮モルタルによる充填を行う補助工法を併用するのが現状である。今回の施工対象となった北陸電力(株)黒東発電所のケーシング部周辺でも、らせん状に設置されたケーシングを囲むために中心軸寄りでは水平方向の鉄筋純間隔が68mmになる箇所があり、十分な締固めを行うことが困難であるだけでなく、逆打ちによる施工を余儀なくされている。一方、コンクリート構造物の信頼性を向上させるためには、施工の良否による影響を受けにくい材料として、締固めを必要としなくても優れた充填性を確保できる締固め不要コンクリートの開発が急務であることを岡村が提唱して以来、小沢らによるハイパフォーマンスコンクリートをはじめとするさまざまな締固め不要コンクリートの開発が盛んに行われている。現在、これらの締固め不要コンクリートは構造物の高耐久化を目的としたものからコンクリート工事の合理化・省力化を目的としたものまで、種々の目的で実施工に適用されている。そこで筆者らは、今回の施工対象となったケーシング部周辺へのコンクリート打設に対し、構造物全体の品質の向上および補助工法の併用の低減を目的として、ノンブリージングな締固め不要コンクリートの適用を図ることにした。本報告は、北陸電力(株)黒東発電所ケーシング部周辺の鉄筋最小純間隔が68mmになるスピードリング下端部分に適用したノンブリージングの締固め不要コンクリートについて、その配合選定実験および施工実験、さらに実施工の結果をまとめたものである。 まとめ 今回のノンブリージングな締固め不要コンクリートの適用には、発電所ケーシング部分周辺という施工対象が限定されていたために原寸大モデルによる施工実験などで事前に検討を重ねることができた。今後も締固め不要コンクリートの性能を必要とする構造条件は増加することが予想され、実施工への適用を一般化するためにも締固め不要コンクリートの材料・配合設計および施工指針などの確立が必要であると考えられる。 |
PDFファイル名 | 015-02-1033.pdf |