種別 報告
主題 締固め不要コンクリートを用いたセグメントの製造実験
副題
筆頭著者 伊藤伸一郎(佐藤工業)
連名者1 弘中義昭(佐藤工業)
連名者2 西本憲生(佐藤工業)
連名者3 岡村直利(佐栄建工)
連名者4  
連名者5  
キーワード
15
1
先頭ページ 211
末尾ページ 214
年度 1993
要旨 はじめに
一般に、コンクリートセグメントは鉄筋間隔が小さく密に配筋される上に継手金物が配置されることから、コンクリートの充填に際しては強力な振動締め固めが必要である。また、製作精度も一般の構造物に比べると厳しい基準を有しており、型枠は寸法精度を確保するため非常に強固で重量のあるものとなる。したがって、セグメントの製造に際しては、鋼製の型枠を振動台で揺すりながら硬練りコンクリートを打設するため、振動と騒音が作業環境を悪化させている。一方、トンネル径の拡大化、セグメント幅の拡大化によりセグメントが大型化する傾向にあり、振動台も大型化が要求され、騒音等の環境問題がより深刻化すると思われる。また、セグメント組立てのロボット化に伴い付属の金物が増し配筋が複雑になるため、コンクリートは益々充填しにくい状況となっている。ところで、近年、岡村等は振動締固めを必要とせずに高品質を得られるハイパフォーマンスコンクリートの提案を行っており、ハイパフォーマンスコンクリートに代表される締固め不要コンクリートは現場施工のコンクリートのみならず、上記の問題を抱えるコンクリートセグメントなどの二次製品の製造にも有効と考えられる。本報告は、コンクリートセグメントの製造の省力化・環境改善等を目的として、締固め不要コンクリートをセグメント製造に適用するために実施した、施工性および品質に関する検証実験の結果を報告するものである。
まとめ
以上の結果をまとめると以下のとおりである。1)コンクリートセグメントのように部材厚さが薄く配筋が密でも締固め不要コンクリートを用いることで、バイブレータによる振動締固めなしに十分な充填性が得られる。2)打設中にコンクリートの供給が中断した場合、自然流下方式で打設する場合、再度流動性を得るためには、わずかではあるが何等かのエネルギーが必要である。一方、ポンプによる打設方式の場合、同様の条件でも容易に流動性が復元する。3)セグメント蓋型枠部表面には、打設後流動時に巻き込んだと思われる気泡が発生する。この気泡は90度の面には発生しないため、仕上がり面をできる限り90度に保つか、蓋型枠部表面の面積を最小にするような型枠の設置方法が必要である。4)セグメント蓋型枠部表面の気泡を抑制する方法として透水性・通気性シートが有効である。5)表面に発生する気泡がコンクリートの品質に与える影響は小さく、美観上の問題と考えられる。
PDFファイル名 015-02-1034.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る