種別 報告
主題 偽参照電極使用埋設二極プローブによる鉄筋腐食モニタリング
副題
筆頭著者 田村博(日本建築総合試験所)
連名者1 永山勝(日本建築総合試験所)
連名者2 下澤和幸(日本建築総合試験所)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 777
末尾ページ 782
年度 1993
要旨 はじめに
コンクリート中の鉄筋の腐食状態を非破壊でモニタリングする技術は、既存コンクリート構造物における鉄筋腐食調査で活用されているが、さらに、鉄筋腐食に関する実験的研究や、塗り付け補修工法・電気防食等の各種補修・防食工法における防食効果の確認を行う場合にも有用である。しかし残念ながら、未だ高い信頼性を得るには至っておらず、技術の現状は、概ね以下のとおりである。自然電位をコンクリート表面で測定する方法はASTM C 876に規格化されているが、かぶりコンクリートの影響を考慮する必要があることが指摘されてきた。著者らは、かぶりコンクリートの内部電位差が自然電位測定値に及ぼす影響を明らかにした。さらに、同電位差を穿孔プローブを用いて測定し自然電位測定値を補正する方法を提案した。同手法は、少し煩雑ではあるが、信頼性は高いものと考えている。分極抵抗をコンクリート表面で測定する方法は、コンクリートが飽水状態でかぶりコンクリートの影響を無視できる場合、自然電位より腐食評価が容易であり、腐食速度まで推定できる有用な手法であることが、促進腐食実験によって確認されている。しかしながら、かぶりコンクリ一トが乾燥している場合など、かぶりコンクリートの影響を無視できない場合には、分極抵抗の補正が非常に困難である。また、コンクリート表面にコーティングが施されている場合には測定ができないことが多い。コンクリート表面で測定するのではなく、コンクリート中に参照電極を埋設して自然電位を測定する方法もある。電気防食の際には、防食電位の確認がこの手法によって行われている。しかしこの場合には、参照電極の耐久性や、参照電極から電解液が浸出して鉄筋腐食環境が変化することに対する懸念があり、さらに信頼性の高いモニタリング手法の開発が望まれている。さらに別の方法として、ドイツのSchiesslらが考案した方法がある。彼らは、デンマークのGreat Belt Linkなどのコンクリート構造物に対して、腐食モニタリング用としてコンクリート中に試料鉄筋と貴金属を埋め込み、両者間の電流を測定するという新しいモニタリング手法を考案し、測定を行っている。この手法は、構造物の鉄筋の腐食状態を直接モニタリングする方法でなく間接法ではあるが、優れた方法であろう。以上のような背景の下、著者らは、構造物の鉄筋の腐食状態を直接モニタリングする新しい方法を考案した。その方法は、偽参照電極使用埋設二極プローブによる腐食モニタリングである。本論文は、その新しい腐食モニタリング手法に関する予備的実験として実施した、液中浸漬腐食実験の結果ならびにコンクリート中の鉄筋腐食実験結果を述べたものである。
今後の課題
以下の課題について検討を行い、信頼性の高い腐食モニタリング手法を確立したい。1)小型・堅牢・安価な埋設プローブを試作する。2)同ブローブを埋設した基礎的な腐食促進実験を行って、電気化学的特性値の経時変化の特性や、同測定値と腐食減量の関係を明らかにする。3)補修構造物や新築構造物に埋設使用して、データを蓄積する。4)実験成果や調査データに基づいて、腐食評価規準を策定する。
PDFファイル名 015-02-1130.pdf


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