種別 | 報告 |
主題 | トンネル補修用急硬性コンクリートの特性 |
副題 | |
筆頭著者 | 田中一成(鉄建建設) |
連名者1 | 日比野悦久(東京電力) |
連名者2 | 鈴木輝彦(鉄建建設) |
連名者3 | 青木義治(鉄建建設) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 15 |
号 | 1 |
先頭ページ | 865 |
末尾ページ | 868 |
年度 | 1993 |
要旨 | はじめに 近年の建設現場では作業環境の改善、熟練作業員不足の解消、工期の短縮等から、工事の省力化および迅速化を図ることが重要な課題となっている。もちろん水路トンネルの補修においても例外ではない。大正から昭和初期に建設された水路トンネルの多くはコンクリートの経年劣化、洗掘等による亀裂、肌落ちが生じており、従来は吹付けコンクリートと左官作業による補修を行っているが、断面が比較的小さいため、吹付けコンクリートによる粉塵で作業環境が悪化したり、人力作業による部分が多い等の問題がある。そのため、これらの諸問題を解決したより合理的な補修工法の開発が必要になってきた。そこで、トンネルの1次ライニング工法として開発されたTSL工法を用いて経年劣化した水路トンネルの既設覆工内側に新設覆工を行う補修実証試験および本施工を行った結果、同工法および急硬性コンクリートが従来工法と比較して、粉塵・はね返りがほとんどなく作業環境が良好であり、また、覆工表面が円滑に仕上がるため左官作業が必要がない等の点で水路トンネル補修への適用性が確認された。TSL工法では型枠として円周方向に移動可能なベルト型枠を用いており、コンクリート打設後2分程度で型粋が移動して脱型状態になるため、適用するコンクリートは1〜2分で自立強度に達する急硬性のコンクリートである。本報告では、TSL工法の概要の説明と急硬性コンクリートの特性について述べる。 おわりに 本急硬性コンクリートは急硬剤添加後の初期流動性と硬化開始後の急硬性の双方の性状を有し、実証試験および本施工の結果から水路トンネル補修に通したコンクリートであることを確認した。本急硬性コンクリートの特性は以下のとおりである。1)急硬剤添加後は脚部・側壁部コンクリートで30秒程度、天端部コンクリートで2〜3分の時間流動性を保持し、硬化開始後は1〜2分で自立強度に達して型枠の脱型が可能となる。2)急硬剤は鉱物系の速硬性急結剤と硬化時間を調整する遅延剤を用いており、ともに水で溶解しスラリー状にして使用するタイプである。3)コンクリート温度20℃において急結剤添加量がC×13%、遅延剤添加量は脚部・側壁部コンクリートで急結剤量×2%、天端部で急結剤量×6%が適正配合である。4)急硬性コンクリートの強度はσ28=300〜350kgf/cm2であり、一般に使用される覆エコンクリートσ28=180〜240 kgf/cm2と比較しても十分な強度を有している。 |
PDFファイル名 | 015-02-1145.pdf |