種別 報告
主題 充填型鋼管コンクリートの基礎物性と圧入施工実験
副題
筆頭著者 松田敏(熊谷組)
連名者1 田中健治郎(熊谷組)
連名者2 渡辺聡(熊谷組)
連名者3 菅一雅(熊谷組)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 1061
末尾ページ 1066
年度 1993
要旨 はじめに
充填型鋼管コンクリート柱は、鋼管による充填コンクリートの拘束効果とコンクリートによる綱管の座屈補剛効果の相乗作用により、終局耐力の向上や優れた変形性能が期待される。充填型鋼管コンクリート柱を構成するコンクリートとして要求される特性には、1)密実に充填される流動性を有すること、2)鉛直方向への材料分離(ブリージング、骨材分離)をほとんど生じないことなどが挙げられる。また、施工された柱の品質については、3)空隙なくコンクリートが充填されていること(特に、ダイヤフラム下に空隙が生じないこと)、4)設計強度を満足するコンクリート強度が確保されていることなどが挙げられる。本報告では、高性能AE減水剤と鉱物微粉末(石灰石粉)の併用使用で流動性と材料分離抵抗性を持たせた充填用コンクリートと、さらにダイヤフラム下での空隙形成を極力防止するためにアルミニウム微粉末を主成分とする膨張剤を添加した充填用コンクリートの各々のフレッシュ時および硬化後の物性について(実験1)、さらに、実験1で示されたコンクリートを使用した実大規模柱試験体への圧入施工実験の結果について(実験2)述べる。
まとめ
今回の実験から得られたことを以下にまとめる。(1)本実験で使用した材料の場合、微粉量(セメント、フライアッシュ、石灰石粉等)を500kg/m3程度、高性能AE減水剤の添加量を(C+F)の重量比で2.5%程度とすれば、流動性と材料分離抵抗性を持ったコンクリートが得られる。(2)今回開発した充填用コンクリートは、充填型鋼管コンクリート柱の施工に適しており、膨張剤を添加しなくとも鋼管内への充填性は十分確保される。(3)膨張剤の使用は充填性をより確実なものとするが、鋼管には膨張圧による応力が残留するため、その使用に際しては、試し練り等によりコンクリート温度と膨張量の関係を充分に把握しておくことが必要である。(4)鋼管柱のコンクリートの強度分布は、1)膨張剤を添加したコンクリートの場合には柱上部になるに従い強度が低下する傾向があり、2)網管径が小さな場合(今回の実験では400×400mm)にはダイヤフラム近傍で強度が顕著に低下する傾向がある。(5)各鋼管柱のコンクリートの強度分布において、比較的大さく強度が低下している部位が見られることから、鋼管充填用のコンクリートの調合強度決定にあたっては、この強度低下を考慮することが必要であると思われる。
PDFファイル名 015-02-1179.pdf


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