種別 委員会報告
主題 自然環境下のコンクリート性能研究委員会報告
副題
筆頭著者 山田人司(間組)
連名者1  
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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年度 1993
要旨 委員会活動の概要
本委員会は、これまで、それぞれの分野において異なる問題としてとらえてきた、寒中コンクリート、暑中コンクリート、海洋環境下のコンクリート、凍害など、自然の気象環境下のコンクリート性能に関する問題を総合的に取り扱うことを目的としたものである。委員会の研究対象分野が多岐にわたり、委員も各地域に分散していることから活動はワーキンググループごとに行うこととし、さらにこの議論の過程で、土壌環境によるコンクリートの劣化が話題となり、未解明な部分が多いことから、この分野を含めてワーキンググループを構成した。ワーキンググループの構成は以下のようである。(1)寒冷気象環境ワ一キンググループ(主査:鎌田英治)(2)塩分・海洋環境ワーキンググループ(主査:佐伯昇)(3)暑中・土壌環境ワーキンググループ(主査:松下博通)(4)暴露実験実施ワ一キンググループ(主査:山田人司)(5)気象環境解析ワ一キンググループ(主査:冨板崇)委員会委員は、この5つのワーキンググループのいずれかに所属するものとし、個々の委員の興味の範囲内で複数のワーキンググループにも参加できることとした。各テーマについての活動は、それぞれのワーキンググループごとに行い、ワーキンググループ主査からなる幹事会を適宜開催し、ワーキンググループ間の連絡・調整を行った。また、全委員が集まる全体委員会は、委員会期間中2回、冬期の札幌、夏期の沖縄で開催し、この委員会にあわせて、寒中施工、塩害等に関する見学会を行った。各ワーキンググループの活動方針として、寒冷気象環境、暑中・土壌環境、塩分・海洋環境の各ワーキンググループでは平成3年度は対応する課題に対する問題点の抽出と、その検討を進めること、暴露試験実施ワーキンググループの活動に協力することを主眼とし、平成4年度にワーキンググループの検討結果を委員会報告としてとりまとめた。全国的な規模の共通暴露試験の実施を委員会の最も重要な活動として位置づけ、この計画と実行を暴落試験実施ワーキンググループで行った。平成3年度には、このためのコンクリートの打ち込みと測定、各地への送付と配置をおえ、平成4年度にこの測定を行った。気象環境解析ワーキンググループの活動は、暴落試験体の測定結果を利用することもあり、活動の開始を平成4年とし、気象庁データによる気象環境要素を利用して、凍結融解作用による耐久性の評価、中性化深さに関する資料の作成などを行った。これらの活動の成果は、平成5年5月、6月に東京・札幌・福岡で開催したシンポジウムにおいて委員会報告あるいは研究論文として公表した。このシンポジウムでは、温度以外の環境要素を含めた自然環境条件の解析など、各ワーキンググループの成果を報告しているが、本報では、委員会としての主要な活動として位置づけた全国共通暴露試験を中心に報告を行いたい。
あとがき
全国的な暴露試験の実施、気象条件の解析など、これまで行われることのなかった視点からの取り組みを行うことができた。また促進試験も合わせて実施し、実際の自然環境下でのコンクリート性能を評価する暴露試験が、促進試験結果の意味を判断するうえで重要であることを再認識させられた.暴露試験の最終的な成果は、塩分海洋環境と土壌環境下での測定結果と合わせて10年程度の長期間におよぶコンクリート性能の経時変化を検討して得られると考えている。今後、1年目のデータにさらに分析を加えることと、長期データの蓄積と分析を課題としたい。数年後、あるいは10数年後には、本委員会で開始した暴露試験の成果が得られることが期待される。またこれらのデータは、今後コンクリートの性能と気象因子との関係を検討する上で貴重なデータとして活用できると考えている。その際にはさらなる発展がなされるものと考えている。
PDFファイル名 015-03-0001.pdf


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