種別 論文
主題 増粘剤を用いた省力化施工コンクリートの過密配筋部材への適用性について
副題
筆頭著者 佐野清史(東洋建設)
連名者1 福手勤(運輸省)
連名者2 守文敦朗(東亜建設工業)
連名者3 濱崎勝利(五洋建設)
連名者4
連名者5
キーワード
16
1
先頭ページ 141
末尾ページ 146
年度 1994
要旨 1.まえがき
 近年、コンクリート構造物において複雑な形状を呈した部材あるいは過密に配筋された部材が増加している。これらを施工する場合、十分なコンクリートの締固めを行うことが難しいことから締固めが不足しがちとなり、これがコンクリート構造物の耐久性を低下させる要因の一つになっている。特に、塩害等劣化環境条件の厳しい港湾コンクリート構造物においては大きな問題となる。一方、建設業に従事する労働者の不足、高齢化および若年労働者の建設業離れ等が大きな社会問題となっていることから、港湾工事における省力化は大きな社会要請でもある。これらの課題やニーズに対応するために、筆者らは、主に増粘剤と高性能減水剤の使用によって高い流動性と材料分離抵抗性をコンクリートに付与することで省力化や信頼性の確保が図れる高流動コンクリート(以下、省力化施工コンクリートと称する)の研究開発を進めている。
 本稿は、この種のコンクリートのニーズが高い過密配筋部材を対象とした実物大モデルの施工実験を行い、普通コンクリートを用いて十分な締固めを行った場合との比較検討によって適用性を評価したものである。
4.まとめ
 省力化施工コンクリートは、過密配筋部材に対してバイブレーターなしで打込んでも良好な充填性と品質を確保できることが確認できた。とりわけ圧縮強度や弾性係数については、普通コンクリートが表層部で品質管理試験値よりも下回る結果となったのに対し、省力化施工コンクリートは全般に均一な品質を確保できており、本実験のようなコンクリートの打込みにおいて過酷な配筋条件となるケースでの適用性に優れているといえる。
 なお、省力化施工コンクリートの問題点と考えられた表面仕上げの作業性については、普通コンクリートに比べてやり難さはあるものの、優れたセルフレベリング性により作業時間は少なくて済むことがわかった。また、単位水量がやや多めの配合となることで懸念された乾燥収縮ひび割れについては、打込み終了後直ちにシート等によって乾燥を防ぎ、硬化後の初期も適切な湿潤養生(マットと散水など)に努めることで十分対応できることがわかった。
PDFファイル名 016-01-1021.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る