種別 論文
主題 高流動コンクリートの細孔構造が透気・透水性に与える影響
副題
筆頭著者 中瀬博一(三菱建設)
連名者1 柿崎正義(鹿島建設)
連名者2 枝広英俊(芝浦工業大学)
連名者3 藤井和俊(三菱建設)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 201
末尾ページ 206
年度 1994
要旨 1.はじめに
 近年、鉄筋コンクリート造建築物の高層化が進み、これに伴って配筋も過密化してきた。また、建築物の形状にも複雑なものが見られるようになり、従来のコンクリート打込み方法では施工不良などの問題が見られるようになってきた。これらの施工条件に対応し、かつ耐久性の高い建築物を造るために、締固め不要の施工性の良い高流動コンクリートが開発され、各方面で普及しつつある。しかし、締固めを行わない高流動コンクリートの透気・透水性については未だ解明されていないのが現状である。そこで本研究は、高流動コンクリートの細孔組織を細孔径分布試験によって確認し、耐久性を判断する指標となるコンクリートの透気・透水性との関連性について検討を行ったものである。
4.まとめ
 高流動コンクリートの細孔構造が透気・透水性に及ぼす影響について検討した結果をまとめると以下のようになる。
1)高流動コンクリートの透気・透水性は、フライアシュの混和及び混和剤の種類に拘らず水結合材比が小さくなるに従い小さくなる。ただし、フライアッシュ無混和のコンクリートの透気性については水結合材比46%以上において異なる傾向が認められた。
2)高流動コンクリートの透気性はフライアッシュを混和することにより小さくなり、特に低水結合材比の場合にその効果が大きい。
3)高流動コンクリートは水結合材比が小さくなるに従い、全細孔量(径3.75〜7500nm)が減少し、微小な細孔が増加する。この傾向はフライアッシュを混和した場合に顕著に認められた。
4)透気性は全細孔量が同じ場合、フライアッシュを混和したコンクリートの方が無混和の場合と比べて小さくなる。
5)高流動コンクリートの透気・透水性は、13.5nm程度以上の細孔量と良い相関性が認められた。
 本研究ではコンクリートのモルタル部分について3.75〜7500nmの細孔径を対象に細孔構造と透気・透水性の関係の検討を行ったが、水や空気の透過経路がすべてこの範囲にあるわけではないため、今後更に検討を行い、透気・透水性との関係を総合的に評価する必要があると考えられる。
PDFファイル名 016-01-1031.pdf


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