種別 論文
主題 超硬練り高強度コンクリートの特性
副題
筆頭著者 吉兼亨(大有建設)
連名者1 鯉江利夫(大有建設)
連名者2 松下正美(大有建設)
連名者3 石原康英(大有建設)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 249
末尾ページ 254
年度 1994
要旨 1.まえがき
 道路整備が進みストックも増大し、その結果維持修繕工事の占める割合が増加しつつある背景から、コンクリート舗装の薄層オーバーレイや橋梁におけるコンクリート床版の増厚工法が多く行われる様になった。この目的に適合するコンクリートとして高強度で耐摩耗性が高く、かつ工事に伴う交通渋滞による社会的損失を低減するため、早期に強度が発現するコンクリートが望まれている。またそのニーズに応えるため、通常は超速硬セメントを用いたコンクリートによる施工が行われるが、普通セメントを用いたコンクリートの施工は早期強度発現に無理があり用いられていなかった。現在、普通セメントでも比較的早期強度の高い超硬練りコンクリートとして転圧コンクリート(以下、RCCとする)があるが、コンクリートの薄層オーバーレイ用としては、鉄筋の挿入や鋼繊維の補強が困難で、且つ若干の空隙存在や配合上セメント量を増加させることに無理があり、薄層オーバーレイに適用することはできないものである。この様な背景から、コンクリートの混合および施工に工夫をこらし、普通セメントを用いた超梗練りコンクリートによる早期高強度の発現で解決を図ったのが本報告の超硬練り高強度コンクリート(以下、HCC[High Vibration Compacted Concrete]とする)である。
5.まとめ
 以上の実験で得られた結果から次のようなことがいえる。
(1)超硬練り低水セメント比のフレッシュコンクリートを粗骨材を核としたモルタルで団粒化状の混合物とし、振動によって流動化するよう混和剤を配することで充填性の高い水密性のコンクリート体とすることができ、高強度(圧縮1000kgf/cm2、曲げ110kgf/cm2程度)を得る。
(2)コンシステンシーの評価はVC振動締固め試験(修正VC値)で行ったところ、施工性、緻密性を考えると10〜40秒の修正VC値が適当である。
(3)温度変化に伴なうコンシステンシーの経時変化は、20℃では少ないが、35℃の場合に増大する傾向を示す。したがって夏期施工時のハンドリングタイムには十分留意する必要がある。
(4)単位水量の少ない配合となるため、等強度のコンクリート体を得るためのセメント量が削減され、経済的となる。
(5)初期強度の発現性が高いことから、舗装や増厚用コンクリートとして用いれば、施工後24時間(20℃)での早期交通開放が可能である。
(6)乾操収縮率は通常の舗装コンクリートより小さく、鋼繊維補強とすれば、更に20%程度小さくなる。
(7)摩耗に対する抵抗性が高く、通常の舗装コンクリートに比べ約3倍となり、耐久性に優れている。
(8)鋼繊維の混入が容易であることから、コンクリートの薄層施工に有効である。
 以上から、超硬練り高強度コンクリート(HCC)は、早期開放を求める舗装や増厚用コンクリートおよびコンクリート二次製品への適用に効果があると考える。
PDFファイル名 016-01-1039.pdf


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