種別 論文
主題 電気炉酸化スラグ骨材を用いたコンクリートの諸性質
副題
筆頭著者 森野奎二(愛知工業大学)
連名者1 渕上榮治(中部鋼鈑)
連名者2 服部裕治(中部鋼鈑)
連名者3 吉兼亨(愛知工業大学)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 319
末尾ページ 324
年度 1994
要旨 1.はじめに
 スラグがコンクリート用骨材として、JIS化されているのは、高炉スラグ粗骨材・細骨材およびフェロニッケルスラグ細骨材の3種類である。製鋼スラグについては不安定な鉱物相から構成されているので、コンクリート用骨材として不適当とされている。しかし、近年電気炉製鋼法の設備ならびに操業方法の改善が進んだ結果、酸化スラグについては、従来問題視された不安定鉱物相の含有が全体として解消の方向にある。
 そこで筆者らは、電気炉酸化スラグをコンクリート用細骨材として利用することを試みた。電気炉製鋼スラグにもいろいろなものがあるが本報告では、その付加価値を高めるために球状化した電気炉酸化スラグについて検討したものである。
 5.まとめ
 球状化した電気炉酸化風砕スラグ(粒化スラグ)をコンクリート用細骨材として活用するために行った研究の結果、以下のことが明らかとなった。
1)粒化スラグの主な構成鉱物はMgOを含んだWustite(FeO)およびMagnetite(Fe3O4)、Iron Chromite(FeO・Cr2O3)であり、一般に問題視されている γ−Dicalcium Silicate(γ一2CaO・SiO2)などの不安定鉱物は認められない。また従来の電気炉酸化スラグと比較してCaO成分が少なく、遊離石灰、遊離マグネシアもほとんど含まれていない。また、水浸膨張試験やアルカリ反応性試験結果など総合的に判断して、従来から問題視されている膨張、崩壊は起こらないといえる。なおまた、有害物質の溶出も認められない。
2)粒化スラグ細骨析を用いてコンクリートの実用化試験を行い、1年経過後コアを採取し、圧縮強度試験、静弾性試験、中性化探さの測定、電子顕微鏡観察を行った結果、天然細骨材を用いたコンクリートと比較し、同等あるいはすぐれている面もみられ、コンクリート骨材として使用の可能性が認められる。が、安定性を一層確実なものにするため、さらに長期間についても検討中である。
PDFファイル名 016-01-1051.pdf


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