種別 | 論文 |
主題 | 硬化剤を含まないエポキシ樹脂混入ポリマーセメントコンクリートの性質 |
副題 | |
筆頭著者 | 趙栄國(日本大学大学院) |
連名者1 | 大濱嘉彦(日本大学) |
連名者2 | 出村克宣(日本大学) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 1 |
先頭ページ | 371 |
末尾ページ | 376 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.はじめに 一般に、エポキシ樹脂の利用に当っては、硬化剤の使用が不可欠であり、これまでに開発されたエポキシ樹脂混入ポリマーセメントモルタルやコンクリートにおいても、主成分としてのエポキシ樹脂と硬化剤が混入されている。又、そのようなポリマーセメントモルタル及びコンクリートにおいて、エポキシ樹脂の持つ各種の特性を生かすためには、一般のポリマーセメントモルタルやコンクリートに比べて高いポリマーセメント比とする必要があり、その性能とコストとのバランスが悪いこと、エポキシ樹脂用硬化剤がセメントの水和を阻害しやすいことなどが指摘される。しかしながら、著者らは、これまで、硬化剤を含まずにエポキシ樹脂だけをセメントモルタル中に混入するのみで、モルタル中のアルカリの存在下でエポキシ樹脂が硬化することを見いだすと共に、そのような硬化剤を含まないエポキシ樹脂混入ポリマーセメントモルタルにおいては、ポリマーセメント比10%程度で、エポキシ樹脂の混入効果が現れることを明らかにしている。そこで、本研究では、セメントコンクリートの性能改善を目的に、硬化剤を含まないエポキシ樹脂混入ポリマーセメントコンクリートの製造法を試み、各種の性質について検討する。 5.結論 以上の試験結果を総括すれば、次の通りである。 (1)ポリマーセメント比10%以下において、硬化剤を含まないエポキシ樹脂混入ポリマーセメントコンクリートの圧縮、引張及び曲げ強度は改善され、特に、ポリマーセメント比10%のものの引張及び曲げ強度は、ポリマーセメント比40%の硬化剤を含むエポキシ樹脂混入ポリマーセメントコンクリートのそれらとほぼ同じである。 (2)ポリマーセメント比の増加に伴って、硬化剤を含まないエポキシ樹脂混入ポリマーセメントコンクリートの防水性、遮塩性、中性化に対する抵抗性及び保水性は著しく改善される。 (3)本研究の限りでは、硬化剤を含むことなく、ポリマーセメント比を10%としてエポキシ樹脂を混入することによって、普通セメントコンクリートの力学的性質及び耐久性の改善が可能であり、低廉で、優れた性質を持つエポキシ樹脂混入ポリマーセメントコンクリートの製造が可能である。 |
PDFファイル名 | 016-01-1060.pdf |