種別 | 論文 |
主題 | 超速硬性セメントモルタルの耐海水性に及ほすシリカフュームの影響 |
副題 | |
筆頭著者 | 大即信明(東京工業大学) |
連名者1 | 長滝重義(東京工業大学) |
連名者2 | 久田真(東京工業大学) |
連名者3 | 番場孝二(東京工業大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 1 |
先頭ページ | 395 |
末尾ページ | 400 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.はじめに 超速硬性セメントは、活性度の高いアルミン酸カルシウム(11CaO・7Al2O3・CaF2)を多量に含むセメントで、これを用いたモルタルおよびコンクリートは早期に高い強度が発現することが知られている。このため、既設コンクリート構造物の充分な期間を設けられない場合の補修等に活用されている。しかし、超速硬性セメントを用いたモルタルの耐海水性については不明な点が多く、既往の研究においても、超速硬性セメント硬化体を促進中性化した場合、普通ポルトランドセメントを用いたものに比べて、細孔溶液中の硫酸イオン濃度が増加し、硬化体中の鉄筋が腐食しやすいという報告があり、筆者らの予備実験においても普通ポルトランドセメントモルタルに比べて若干劣っているという結果を得ている。 本研究は、このような耐久性上の欠点を補うという観点から、シリカフューム、フライアッシュならびにフライアッシュ起源超微粉末などの混和材を混和することにより、超速硬性セメントの特色である早期強度の低下がないという条件下において、特にモルタル中鉄筋の海洋環境での耐久性の向上を目的としたものである。 4.結論 本研究を通じて得られた主な所見を以下に示す。 (1)SF1〜4などの湿分の比較的少ないシリカフュームを混和することにより、若材齢時における超速硬性セメントモルタル程度の圧縮強度を低下させることなく、長期にわたって高強度を発現するモルタルを作成することが可能である。 (2)超速硬性セメントモルタルの耐海水性(塩化物イオン浸透抵抗性ならびに内部鉄筋の電気化学的性質)は、SF1〜4などの湿分の比較的少ないシリカフュームを混和することにより向上する。また、この傾向は室内の塩水浸漬環境においても同様である。 (3)シリカフュームを用いることは、超速硬性セメント単味のものとくらべてモルタルの中性化を抑制する傾向がある。また、フライアッシュやフライアッシュ起源超微紛未を併用することは、超速硬性セメントモルタルの中性化抑制にはあまり効果的ではない。 (4)超速硬性セメント単味の場合に生じる微細なひびわれは、本研究で使用した微粉末混和材(フライアッシュを除く)を用いることにより見られなくなるが、原因については現段階では不明確であり、今後さらに検討を行う必要がある。 |
PDFファイル名 | 016-01-1064.pdf |