種別 | 論文 |
主題 | 塑性理論とAE法に基づいたコンクリートの劣化度評価 |
副題 | |
筆頭著者 | 福岡貴己(熊本大学大学院) |
連名者1 | Ahmed.M.FARAHAT(カイロ大学) |
連名者2 | 大津政康(熊本大学) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 1 |
先頭ページ | 531 |
末尾ページ | 536 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.はじめに 近年、終局破壊に至るまでのコンクリートの圧縮破壊挙動を解析することにおいて、塑性解析が使用されるようになり多くの成果が得られている。一方、AE法はコンクリートの劣化度を評価するのに有効的であり、我々は、AEの発生頻度とコンクリートの劣化度の関係について研究している。そこで本研究では、提唱中の応力空間塑性モデルにおける塑性仕事の増加を実験的に検討し、最大応力度点以降の除荷と再載荷による繰り返し載荷時の軟化領域での破壊の度合いについて、AE法により実験的に検討することにした。 現在、健全なコンクリートにおいては、応力空間塑性モデルを使用して圧縮破壊挙動を解析することは既に行われているが、劣化コンクリートにおいては、まだ行われていない。そこで本研究では、応力空間塑性モデルを、劣化コンクリートにも適用可能かどうか検討することを試みた。その為、凍結融解作用によりコンクリートを劣化させる実験を行い、塑性劣化を評価する為に、AE計測法を適用して終局破壊に至るまでの健全なコンクリートと劣化コンクリートの一軸圧縮実験を行った。これらの一軸圧縮試験結果に対して、劣化コンクリートの圧縮破壊挙動に対するモデルの適用性を検討するために数値解析を行った。この実験では、最大応力度点以降の除荷と再載荷の両方の過程における軟化領域での破壊の度合いも観察した。そして、塑性劣化における損傷パラメータを、AEの発生頻度から観察される結果と対応づけることを試みた。 5.結論 本研究では、一軸圧縮荷重の影響の下で、最大応力度点以降の軟化領域での劣化の度合いを評価する為のAE法を適用することを試みた。劣化の度合いは、塑性仕事の関数である損傷パラメータωを使用して評価した。そして、提唱中の応力空間塑性モデルと実験との比較により、次のような結論を得た。 1)塑性劣化における損傷パラメータωは、AE法によって観察される頻度で関係づけることができる。 2)AEの発生頻度と塑性劣化における損傷パラメータωの関係は、コンクリートの劣化度を評価するのに有効的であり、AE−ω曲線より、コンクリートの劣化に伴うAEの発生頻度が増加するにつれて、モデルでの損傷パラメータωも増加することが認められた。 3)最大応力度点以降の除荷と再載荷のどちらの場合にも破壊は進行し、最大応力度点以降の応力レベルが減少するにつれて、除荷時、再載荷時ともに破壊の進行度合いは高くなっている(AE発生頻度が多くなっている)ことが認められた。 |
PDFファイル名 | 016-01-1087.pdf |