種別 | 論文 |
主題 | 寒冷地におけるコンクリート構造物の複合劣化に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 山下英俊(間組) |
連名者1 | 堺孝司(北海道開発局) |
連名者2 | 熊谷政行(北海道開発局) |
連名者3 | 喜多達夫(間組) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 1 |
先頭ページ | 543 |
末尾ページ | 548 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.まえがき コンクリート構造物は種々の有害な作用を受けている。寒冷地においては、それらの中でも特に、凍結融解作用が重要な問題となる。凍害は、コンクリートの品質、構造物の置かれる環境、水の供給程度などの要因に支配され、それらの影響度合いにより、劣化の程度、範囲、形態が異なる。また、塩害や中性化などの他の劣化要因との複合効果によっても異なってくる。このようなことから、コンクリート構造物の凍害劣化を定量的に評価するのは難しい現状にあると言える。 以上のことを背景に、本研究では、実際のコンクリート構造物の劣化状況を、部材、部位、発生要因別に調査し、凍害の現状を整理した。また、凍害による劣化を定量的に評価するために、表面強度、超音波速度および細孔径分布を測定し、凍害範囲を推定した。また、凍害と塩害、凍害と中性化の複合効果を調べるために、塩分浸透量と中性化深さも測定した。 4.まとめ 現在、一般的に使用されているAE剤やAE減水剤を用い、所定の水セメント比のコンクリートでは凍害は発生することはなく、発生したとしても構造的な問題になることはないと考えられている。しかし、今回の調査結果からも分かるように、全体的に発生することはなくても、部分的に、例えばブリージングの影響により水セメント比が大きくなっていると思われる構造物の上部や締固め不良等による品質の悪い部分において凍害が発生している。また、凍害によって発生した微細ひびわれは塩化物イオンの浸透や中性化を促進させることが明かとなった。このように、本研究により、コンクリート構造物では複合劣化が発生する可能性があることが分かり、その発生過程を説明できそうである。 |
PDFファイル名 | 016-01-1089.pdf |