種別 | 論文 |
主題 | 各種粉体を用いたコンクリートの細孔構造と凍結融解抵抗性 |
副題 | |
筆頭著者 | 山宮浩信(エヌエムピー) |
連名者1 | 石田良平(熊谷組) |
連名者2 | 下村匠(東京大学) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 1 |
先頭ページ | 573 |
末尾ページ | 578 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.はじめに コンクリート構造物の信頼性の向上を目的として開発されたハイパフォーマンスコンクリートは、その最も重要な性質である型枠内への自己充填性能を満足するという要件から、水粉体比が低く粉体量の多いことが配合上の特徴である。したがって、使用粉体の種類、混合比は、硬化途中、硬化後のコンクリートの諸品質を実質的に大きく左右する要因となる。このような観点からハイパフォーマンスコンクリートの粉体材料として、種々のセメントをはじめ、石灰粉、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、膨張材などの使用が試みられている。ハイパフォーマンスコンクリートの材料配合設計体系を完成させるためには、これら種々の粉体の、硬化途中、硬化後のコンクリートの諸品質に対する影響について、系統的な知見を持つことが必要である。 本研究は、種々の粉体を用いたコンクリートについて、使用粉体と硬化後の品質の関係を把握することを目的に、硬化後の品質のひとつである凍結融解抵抗性に着目し、系統的実験を行い検討を加えるものである。また、耐凍害性に関係が深いと考えられるコンクリートの組織構造について、混和剤により連行される空気泡、ならびにセメントの水和反応によって形成される細孔組織の2面から検討する。 4.まとめ 中庸熱ポルトランドセメント石灰粉、高炉スラグ微粉末の各種粉体を用いたコンクリートの凍結融解抵抗性と組織構造について系統的実験を行った結果、以下の知見を得た。 (1)各種粉体を用いたコンクリートについても、混和剤により気泡間隔係数にして300μm程度以下となる空気量を連行させることによって耐凍害性を向上させることが可能である。 (2)良好な養生を行うことができる場合、高炉スラグ微粉末を粉体として用いることは、コンクリートの耐凍害性を向上させるうえで、きわめて有効となる可能性が示唆された。しかしその理由については、本研究の範囲内では説明し得るに至らなかった。 各種粉体の性質を有効に活用したコンクリートの材料配合設計を行うためには、実験事実だけでなく、そのメカニズムに関しても、明らかにしておく必要があると考えられる。本研究はその意味では不完全であるが、より詳細で広範な実験を行うための足がかりとして有効な知見を得ることができた。今後も研究を維続して行く予定である。 |
PDFファイル名 | 016-01-1094.pdf |