種別 論文
主題 高強度鉄筋コンクリートのクリープおよび乾燥収縮特性
副題
筆頭著者 松浦恒久(間組)
連名者1 角一行(間組)
連名者2
連名者3
連名者4
連名者5
キーワード
16
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先頭ページ 609
末尾ページ 614
年度 1994
要旨 1.はじめに
 近年、高強度コンクリートを用いた超高層鉄筋コンクリート造の建築物が数多く建設されている。建築物の高層化に伴い下層部の柱には高軸力が作用するようになり、平面計画によっては柱に作用する軸力に2倍近い差が生じる可能牲がある。この様な場合、長期荷重下における柱の乾燥収縮、クリープに起因する変形により、建築物の安全性以外に床の湾曲、仕上げ材の破損等の使用性についても、いくつかの問題が懸念される。しかしながら、現状では高強度鉄筋コンクリートの乾燥収縮、クリープ性状に関する資料が不足しているため、前述の問題を明らかにするまでには至っていない。
 鉄筋コンクリート部材の乾燥収縮およびクリープに関する既往の研究を見ると、ほとんどが普通強度コンクリートを対象としたもので、高強度コンクリートを取り扱ったものは、その数が限られている。また、長期軸力を受けた後の、力学特性に関する研究は、普通強度コンクリートや三軸拘束コンクリートについての報告が、わずかにあるのみで、ほとんど行われていないのが現状である。
 そこで、本研究では柱の長期変形および、クリープ後の力学特性を検討するために、高強度鉄筋コンクリートを用いて乾燥収縮、クリープ試験および中心圧縮実験を行った。本論は実験データから得られた乾燥収縮、クリープ特性およびクリープ後の力学特性に関する知見を報告する。
5.まとめ
 高強度鉄筋コンクリートのクリープ、乾操収縮実験、および中心圧縮実験で次のことが明らかになった。
1)高強度コンクリートの乾燥材令1年における、自由乾燥収縮ひずみは円柱で604μ、角柱で520μとなった。
2)クリープ係数は横補強筋量の影響を受け横補強筋量が多くなるはど大きくなるが、軸筋量の影響は見られない。クリープによるコンクリートから鉄筋への応力遷移は軸筋量により異なるが、鉄筋ひずみで比較すると軸筋量に関係なく、ひずみの増加量は同程度である。
3)クリープ後のコンクリートの圧縮強度は、長期軸力を経験しないコンクリートより、若干上昇が見られた。また、最大耐力時のコンクリートひずみは、長期軸力の経験に関係なく同程度であるが、最大耐力時の割線剛性、最大耐力の1/3時の割線剛性は、長期軸力を経験したコンクリートの方が、軸力を経験しないものより10%程度高くなっている。
 今回、中心圧縮実験を行わなかったクリープ、乾操収縮の試験体も、中心圧縮実験を行いクリープ後の力学特性について検討を行う予定である。
PDFファイル名 016-01-1100.pdf


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