種別 論文
主題 セメントモルタルの硬化初期における線膨張係数の経時変化
副題
筆頭著者 小山智幸(九州大学)
連名者1 松藤泰典(九州大学)
連名者2
連名者3
連名者4
連名者5
キーワード
16
1
先頭ページ 687
末尾ページ 692
年度 1994
要旨 1.序
 暑中環境下で打設されるコンクリートは、表層部の劣化、特に初期材令時におけるひび割れの発生が問題となる。本研究ではこれまでこの初期ひび割れ発生の原因の一つとしてコンクリート内部と表層部の温度差に着目し、温度差に及ぼす外気温度、湿度、風速および直達日射の影響について実験・検討を行った。その結果、厚さ10cm程度のスラブ試験体の場合、温度差は水和反応速度がピークとなる時期に極大値を示すこと、この極大値は高温低湿な環境ほど、風速および日射量が大きいほど大きくなることを明らかにした。また、暑中コンクリートに関して養生開始時期が強度性状および表面性状に及ぼす影響を検討し、養生開始時期は水和反応過程を考慮して定める必要があり、水和反応が加速期に入る前後に開始する必要があること、これに対し水和反応速度がピークとなる時期以降に養生を開始しても強度・表面性状の改善効果は殆ど見られないことを明らかにした。これらの結果は、コンクリートの伸び能力が加速期前後に極小値となることを考慮すると、表層部の劣化や初期ひび割れを防止するためには硬化初期における対策が重要であることを示している。
 本研究では、温度差によって試験体表層部に生じる引張りひずみを数値解析により算定し、ひび割れ低減対策およびその効果を定量的に検討することを目的として、数値解析の入力条件となる硬化初期における線膨張係数および、ひび割れ発生条件となる引張り限界ひずみを測定した。本編ではそのうち線膨張係数の経時変化および、同時に測定された試験体の硬化にともなう初期収縮の経時変化について示す。
4.結論
 本研究では打設後24時間程度まで時期におけるモルタル試験体の線膨張係数を測定した。主な結果を以下に示す。
1)硬化に伴う初期収縮は打設直後においては温度が高いほど急激であるが、水和反応が極大値を示すとともに収縮速度が低下し、養生温度が35度の場合には養生温度が低い他の試験体よりも収縮量が小さくなった。また調合の影響に関しては、水セメント比が小さいと収縮は小さく、単位セメント量が大きい試験体では大きくなる傾向がみられた。
2)硬化初期におけるモルタル試験体の線膨張係数を、温度変化に伴う体積変化を測定することにより算定することが出来た。ただし、特に加速期前後の値に関しては初期ひび割れ生じやすい時期でもあり、更なる精度向上が必要であると考える。
PDFファイル名 016-01-1113.pdf


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