種別 | 論文 |
主題 | 多軸定圧縮応力を受けるコンクリートの熱膨張とクリープに及ぼす含水状態の影響 |
副題 | |
筆頭著者 | 河辺伸二(名古屋工業大学) |
連名者1 | 岡島達雄(名古屋工業大学) |
連名者2 | 溝口雄一(名古屋工業大学大学院) |
連名者3 | 高山雄嗣(名古屋工業大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 1 |
先頭ページ | 699 |
末尾ページ | 704 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.はじめに コンクリートが構造部材として荷重を受ける状態で使用され、かつ温度の上昇や下降の繰り返しを受ける状態で使用されることがある。荷重を受け、常温と異なる温度で使用されるコンクリートについては、コンクリートの多軸を含めた力学的性質だけでなく熱的性質も重要である。 筆者らは、あらかじめ乾燥したコンクリート供試体を用いて熱膨張とクリープについて検討を行った。しかし、コンクリートの諸性質はその含水状態に影響を受けることが知られている。そこで昨年、定圧縮応力を受けるコンクリートの熱膨張とクリープに及ぼす合水状態の影響について検討を行った。ここでは、乾燥、気乾、湿潤状態のコンクリート供試体を用いて一軸の定圧縮応力を受けるコンクリートの熱膨張とクリープについての実験を行い、また一軸の定圧縮応力を受ける温度上昇時のひずみを予測している。 今回はさらに、三軸を含む多軸定圧縮応力を受けるコンクリートについて検討する。コンクリートを乾燥、気乾、湿潤の3種類の含水状態にして、それぞれ多軸を含む定圧縮応力下の状態に保持し、温度上昇時(20℃から100℃)と温度下降時(100℃から30℃)のコンクリートのひずみを求める。また、それぞれの含水状態の一軸定圧縮応力を受けるクリープ量より、「温度時間換算則」を用いて任意温度のクリープ量を算出する。そして、温度上昇時の予測クリープ量を算出し、多軸定圧縮応力を受けるコンクリートの温度上昇時のひずみを予測する。 これらの結果は、熱源のある建物の安全及び合理的な設計に貢献できると考えられる。また、日射を受けるコンクリート構造物や、その仕上げに発生するひずみや応力を解析する資料となると考えられる。 5.結論 乾燥、気乾、湿潤状態の各含水状態のコンクリートにおける、多軸定圧縮応力を受けるコンクリートの熱膨張とクリープについて、本研究の範囲内で以下のことが明らかになった。 (1)無応力状態及び多軸定圧縮応力下においては、含水量が大きいコンクリートほど温度上昇時のひずみの増分が小さくなる。 (2)多軸定圧縮応力下の温度下降時の収縮量は無応力状態のそれにほぼ等しい。 (3)温度上昇時のひずみの予測は、式(2)を用いて表すことができる。 |
PDFファイル名 | 016-01-1115.pdf |