種別 論文
主題 べントナイト、アスファルトを添加したコンクリートの基本性状
副題
筆頭著者 トラン デュク フィ オアン(間組)
連名者1 広永道彦(電力中央研究所)
連名者2 遠藤孝夫(電力中央研究所)
連名者3 島辺賢一郎(間組)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 729
末尾ページ 734
年度 1994
要旨 1.まえがき
 地下に建設する構造物の躯体と周辺岩盤との間の埋戻しなどに使用可能な材料として、コンクリートにアスファルト乳剤またはベントナイトを多量に添加したコンクリートアスファルト複合材料(以下CAと記す)およびコンクリートベントナイト複合材料(以下CBと記す)に着目して、材料の流動性、強度・変形特性、透水性などの基本性状を室内試験により把握した。これはベントナイトやアスファルト乳剤の添加により材料の耐久性の維持・改善とともに、変形性能や遮水性の向上を期待したものである。
 アスファルトは古くから遺跡や建設構造物の止水・防水を目的として利用された実績が多い。その止水性は実質的に不透水性とみなせるほど水密性を期待でき、強度特性についても柔軟性、耐衝撃性、粘着性等の他の材料にない特徴を有している。
 一方、ベントナイトは天然材料のため、長期の健全性が認知されやすい材料であり、遮水性や変形性能に優れた特性を有している。
 筆者らは地下深度約300メートルの岩盤中に建造される構造物を想定し、周辺岩盤の変形性や透水性を十分に追従できる、下記のような目標の物性値を満たす材料の開発をねらいに室内試験を実施した。すなわち、弾性係数が5×103〜1×105kgf/cm2、圧縮強度が50〜100kgf/cm2程度の比較的低強度の材料で、透水係数は10-7cm/sオーダ以下、また流動性ではコンクリート(粗骨材最大寸法20mm)の場合、スランプが16〜21cm、モルタル系(細骨材最大寸法5mm)の場合、テーブルフローが180〜220mmとした。
 本報はCAおよびCBの基本物性とその影響要因について取りまとめたものである。
4.まとめ
 以下に本試験で得られた結論をまとめて示す。
(1)CAについて
1)練混ぜ後の連行空気量はA/Cが大きい場合に入り易く、最大で9〜14%に達した。硬化後の耐久性などに悪影響を及ぼすと考えられることにより、消泡剤の使用などの対策が必要である。
2)アスファルト乳材の添加により圧縮強度、弾性係数ともに低下する。これはアスファルトの柔軟性に加え、細孔径分布測定結果からも判明したようにアスファルトの添加により全細孔容漬が増加したためと考えられる。今回の配合の範囲内において、目標のσc=50〜100kgf/cm2、Ec<10-5kgf/cm2を得るためにアスファルト乳剤率RA≧10〜15%が必要である。
3)透水係数kは、貧配合材料ではアスファルトの添加により小さくなり、k=10-9cm/sオーダ以下で目標のk<10-7cm/sを満足した。一方、富配合では乳剤率や骨材率の条件でkの変動が大きかったが、骨材率の小さい配合のkは10-12cm/s以下となり、優れた遮水性を示した。
4)乾燥収縮では単位水量との相関が見られ、乳剤率RA=10〜15%近傍で単位水量が最も小さい配合では、アスファルト添加しない場合より小さくなった。
(2)CBについて
1)所定の流動性を得るための単位水量は、ベントナイトの吸水作用により増加するが、B/Cが約40%以下ではベントナイトの添加によりブリージングの低減等による品質や施工性の改善が期待できる。
2)ベントナイトの添加が圧縮強度に影響を与えないが変形性能(弾性係数)が改善されることからW/CおよびB/Cを適切に選択にすることにより必要な強度・変形特性が得られると考えられる。
3)透水係数kでは、モルタル系材料の一部で試験データにばらつきが見られたがW/C=100〜160%でk=10-7〜10-12cm/sとなり、目標値10-7cm/s以下を達成できた。
4)収縮率はベントナイトの添加により大きくなることが欠点として取り上げられるが、水中または湿度の高い場所で適用する場合、収縮率はほとんどなく、乾燥収縮によるひびわれの発生などは少ないと考えられる。
PDFファイル名 016-01-1120.pdf


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