種別 | 論文 |
主題 | コンクリート部材の知能化のための機能性材料の基礎的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 柿沢忠弘(竹中工務店) |
連名者1 | 大野定俊(竹中工務店) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 1 |
先頭ページ | 771 |
末尾ページ | 776 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.はじめに 近年インテリジェント・マテリアルと呼ばれる新しい概念が提唱されている。これは「センサー機能、プロセッサー機能、アクチュエーター機能を有する材料」であり、これらの基本機能の連携により自己診断、自己修復、環境応答などのインテリジェント機能を発現する「知的」材料と定義されている。土木・建築分野に将来応用が予想されるインテリジェント・マテリアルには、センサーとして光ファイバーや形状記憶合金、圧電材料、またアクチュエーターとしては形状記憶合金、圧電材料、電気粘性流体などが考えられている。 インテリジェント・マテリアルをコンクリート構造物に応用し「知能化」する一つの目的は、構造物の崩壊を誘起する変状の早期発見とタイムリーな修復であり、複雑な電気・機械システムによらず材料によって検知と修復を行う点に大きな特徴がある。このうち変状検知に関する研究としては、炭素繊維とガラス繊維で強化した複合材料の電気抵抗を計測することでコンクリート板のひびわれをモニタリングした例や、光ファイバーによりコンクリート梁の曲げひびわれの発生をモニタリングした例などがある。一方、自己修復に関しては小型の複合材料試験体を用いた検証実験に留まっており、材料のアクチュエーターとしての駆動効率、応答速度、応答精度など実構造部材として用いる際に解決しなければならない課題は多い。 いずれにしても、インテリジェント・マテリアルを用いた実構造部材の設計を可能にするデータの蓄積は極めて不十分であるので、基礎データの収集に努力を傾注する必要がある。本論文では形状記憶合金(shape Memory Alloy;SMA)をとり上げ、その基本特性を実験的に検討し、かつSMAをコンクリート部材に用いる場合の、設計上の問題点について考察したのでその結果について報告する。 6.まとめ 本論文では、形状記憶合金(SMA)の引張応力下での基本的性状と回復力の発現状況を実験的に検証し、それを用いてコンクリート部材を知能化する際の設計の考え方について述べた。SMAのセンサー、アクチュエーター機能を利用する場合はマルテンサイト変態領域での使用が最も効果的であり、通常のコンクリート部材の使用状態よりも高い応力レベルでSMAを使用する設計の考え方が重要である。 |
PDFファイル名 | 016-01-1127.pdf |